TKC全国会

TKC全国会事業目的

TKC全国会は、次の6つの事業目的の達成に向けて活動しています。

 
 (1)租税正義の実現
 (2)税理士業務の完璧な履行
 (3)中小企業の存続・発展の支援
 (4)TKC会員事務所の経営基盤の強化
 (5)TKCシステムの徹底活用
 (6)会員相互の啓発、互助及び親睦
TKC全国会創設者 初代会長 故 飯塚 毅

         TKC全国会創設者
          初代会長 故 飯塚 毅

 

「自利利他」の理念の実践とは

TKC全国会の基本理念である「自利利他」について、飯塚毅初代会長は次のように述べています。
 


大乗仏教の経論には「自利利他」の語が実に頻繁に登場する。解釈にも諸説がある。
その中で私は、「自利とは利他をいう」(最澄伝教大師伝)と解するのが最も正しいと信ずる。


仏教哲学の精髄は「相即の論理」である。
般若心経は「色即是空」と説くが、それは「色」を滅して「空」に至るのではなく、「色そのままに空」であるという真理を表現している。


同様に「自利とは利他をいう」とは、「利他」のまっただ中で「自利」を覚知すること、すなわち「自利即利他」の意味である。
他の説のごとく「自利と、利他と」といった並列の関係ではない。


そう解すれば自利の「自」は、単に想念としての自己を指すものではないことが分かるだろう。
それは己の主体、すなわち主人公である。


また、利他の「他」もただ他者の意ではない。
己の五体はもちろん、眼耳鼻舌身意の「意」さえ含む一切の客体をいう。


世のため人のため、つまり会計人なら、職員や関与先、社会のために精進努力の生活に徹すること、
それがそのまま自利すなわち本当の自分の喜びであり幸福なのだ。


そのような心境に立ち至り、かかる本物の人物となって社会と大衆に奉仕することができれば、人は心からの生き甲斐を感じるはずである。

(『TKC会報』1998年新年号)


 

TKC全国会会長挨拶


 
  TKC全国会は、租税正義の実現を目指し
  関与先企業の永続的繁栄に奉仕する
  わが国最大級の職業会計人集団です。
TKC全国会会長
                                  TKC全国会会長   坂本孝司      
 

社会からの期待に応えるために

 税理士法第1条は、税理士の使命について、
 

「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、
租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする」


と定めています。


 TKC全国会では、そのような使命感に立って、中小企業の適正申告と経営改善の実現を積極的に支援してまいりました。

 

税理士の社会的な役割

 アメリカ公認会計士協会専務理事のジョン・L・ケアリー氏は、1965年の著書『The CPA Plans for The Future(公認会計士 業務の未来設計)』で、職業会計人の社会的役割について以下のように述べています。

「監査業務、税務および経営助言業務の間には、理論的な分離はない。目的は異なるが、これらはすべて、同じデータに基づく多様な分類、分析および解説を包含する」

 ここから、税理士の業務範囲は四つ(税務業務、会計業務、保証業務、経営助言業務)あること、互いの業務領域は重なり、中心には一つの「会計帳簿」が存在することを導くことができます。税理士には、この四つの分野の専門家という社会的な役割の発揮が求められます。
 


1.税務に関する専門家(Tax lawyer)
 税理士は、税の法律家として、「独立した公正な立場」で納税義務の適正な履行を実現することをその使命としています。


2.会計に関する専門家(Professional Accountant)
 近年、わが国は世界に先駆けて中小企業向けの会計基準として、中小会計要領と中小指針を策定・公表しました。これらに準拠した信頼性のある決算書の作成を支援することも、税理士の重要な職務です。


3.保証に関する専門家(Tax Auditor)
 税理士法第33条の2による書面添付制度は、いわゆる税務監査証明ともいうべきものです。中小企業の税務申告書や決算書の信頼性を確保する業務は、ますます重要となっています。


4.経営助言の専門家(Management Consultant)
 税理士は、財務管理や管理会計の知見をもって経営のアドバイスを行います。わが国の企業の99.7%を占める中小企業の経営の健全化のためには税理士による経営助言が不可欠です

 


 

「会計帳簿」の正確性をいかに高めるか

 税理士が、こうした四つの分野の専門家としての役割を果たすためには、その中心をなす会計帳簿の正確性をいかに高めるかが重要な命題となります。

 そこで私たちTKC会計人の強みは、@毎月関与先企業への「巡回監査」を断行し、会計資料と会計記録の適時性や完全網羅性を検証していることA巡回監査を終えたデータの遡及的加除・訂正を禁止し、かつ四つの業務をトータルにカバーする「TKCシステム」を使用していること──によって、会計帳簿の正確性を確保できる点にあります。

 私たちはこの強みを生かし、行政機関や中小企業支援団体、金融機関との連携を深め、中小企業経営者の一番身近で親身な相談相手として信頼されるTKC会計人を目指して行動してまいります。


(『TKC全国会のすべて 2020年版』より転載)


全国会活動



“いま„ TKC全国会が目指すもの
TKC全国会結成の目的と
50周年(2021年)を迎えての具体的運動

TKC全国会結成の目的
 TKC全国会は、税理士・公認会計士約1万1400名が組織するわが国最大級の職業会計人集団です。1971年8月17日に、飯塚毅初代会長により結成されました。『TKC会計人の行動基準書』に、その結成の目的が次のように示されています。
 
 TKC全国会は、わが国職業会計人の職域防衛と運命打開とを目的として開発されたTKCシステムを活用する職業会計人が、その事務所の業務水準の向上と中小企業の育成並びに存続・発展を祈願して結成した血縁的集団であり、その目指すところは、自利利他──自利とは利他をいう──の理念の実践により、確固とした職業倫理と使命感とを堅持しつつ、租税正義の実現と、社会と企業の発展に貢献することにある。
 中小企業は今なお厳しい経営環境にさらされています。私たちTKC全国会の結成目的の達成はまだ道半ばにあると言わざるをえません。

 ただ、税理士に対する「中小企業の支援者」としての社会的な期待は、これまで以上に高まってきています。こうした社会的な期待に応え、TKC全国会の結成目的を実現するためにも、私たちTKC会員は中小企業の支援者としての役割を積極的に果たしていきます。

中小企業の経営動向から
 下の図表は、国税庁の資料をもとに、日本の法人税申告書の黒字申告と赤字申告の割合を示したグラフです。これを見ると、黒字申告割合が次のように推移していることが分かります。
 
@1952年〜1974年頃 黒字申告割合が約70%の時代
A1975年〜1992年頃 黒字申告割合が約50%の時代
B1993年以降      黒字申告割合が約30%の時代

 このデータは日本の法人全体の数字ですが、国内法人の約99%が中小企業であることを踏まえると、この推移がそのまま中小企業の経営動向を示しているといえます。つまり、戦後30年間においては法人の約7割が黒字(利益企業)でしたが、1990年代に入ってこれが逆転し、いまや約7割が赤字(欠損企業)となっています。

 黒字企業の割合が減少した最初の歴史的転換点は「円の変動相場制への移行」(1973年)であり、二つ目は「バブル経済の崩壊」と「ソ連の崩壊による冷戦の終結」(共に1991年)でした。さらに、「リーマンショック」(2008年)が赤字企業の増加に拍車をかけたと思われます。

 なお、国税庁が2020年11月に発表した「法人税等の申告(課税)事績の概要」によると、令和元事務年度における全法人の黒字申告割合は35.3%でした。前年度に比べて0.6ポイント増と、9年連続で黒字申告割合が増えているものの、依然として法人の約7割が赤字となっています。

 このような経営動向は、会計事務所に対するニーズを大きく変化させています。


※2004年以前は国税庁「会社標本調査結果」における数値を採用し、2005年以後は同庁「法人税等の申告事績の概要」における数値を採用しています。

会計事務所に対するニーズの変化
 黒字申告割合が約7割を占めていた1950年代から1970年代半ばまでは、節税対策がニーズの中心であり、青色申告制度に基づいて会計帳簿の「記帳代行」を行うことが大いに役立ちました。しかし、1990年代に入り赤字申告割合が約7割になると、状況は一変しました。会計事務所の中小企業に対する最大の貢献策が、「黒字決算の実現支援」と「適正な税務申告」へと変わってきたのです。

 一方で、近年のIT技術の進歩は低価格なクラウド会計ソフトの普及をもたらし、会計記帳は中小企業が自ら行える環境が整っています。こうしたことからも会計事務所は記帳代行をしているだけでは、「中小企業の支援者」としての期待に応えられなくなってきています。

 黒字決算の継続的な実現、自社の成長と存続・発展に向けて取り組んでいる中小企業が会計事務所に求めているニーズは何か。私たち税理士は、このことを真剣に考えていく必要があります。

TKC全国会の運動方針
 現在、TKC全国会では、2019年から2021年の3カ年(第3ステージ)の運動方針を掲げています。
 
【TKCブランドで社会を変えるための運動方針】
 1.「TKC方式の書面添付」の推進
 2.「TKCモニタリング情報サービス」の推進
 3.「TKC方式の自計化」の推進
※「TKCブランドで社会を変える」とは
TKC会計人が実践している業務が社会に正しく理解されること
 また、上記1〜3の運動方針に併せて、TKC会員事務所の経営基盤をさらに強固なものとするために、以下の三つの強化策も打ち出しています。

◎『TKC会計人の行動基準書』を理解し、実践しよう
◎「巡回監査士」「巡回監査士補」を増大させよう
◎「認定経営革新等支援機関」として経営助言業務を強化しよう
 創設50周年(2021年)を迎えたTKC全国会は、中小企業の支援者として、これらの運動を通じ、税理士に対する社会からの期待に応えることで日本経済の発展に貢献します。
 

(『TKC全国会のすべて 2021年版』より転載)

山下真茂留税理士事務所はTKC全国会会員です
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 TKC全国会は租税正義の実現をめざし
 関与先企業の永続的繁栄に奉仕する
 わが国最大級の職業会計人集団です
関東信越税理士会所属
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