電帳法「取扱通達」一部改正(抜粋)・新旧対照表(PDFファイル/135KB)省令(令和3年財務省令第25号)附則第2条第3項((経過措置))対応(令和3年12月27日) ・平成10年5月28日付課法5−4ほか6課共同「電子帳簿保存法取扱通達の制定について」(法令解釈通達)の一部を下記のとおり改正したから、これによられたい。 <新設> (宥恕措置における「やむを得ない事情」の意義) 7−10 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和3年財務省令第 25 号)附則第2条第3項((経過措置))の規定により読み替えて適用される規則第4条第3項((電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に関する宥恕措置))に規定する「やむを得ない事情」とは、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に係るシステム等や社内でのワークフローの整備未済等、保存要件に従って電磁的記録の保存を行うための準備を整えることが困難であることをいう。 (宥恕措置適用時の取扱い) 7−11 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和3年財務省令第 25 号)附則第2条第3項((経過措置))の規定により読み替えて適用される規則第4条第3項((電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に関する宥恕措置))の規定の適用に当たって、電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存を要件に従って行うことができなかったことについてやむを得ない事情があると認められ、かつ、その電磁的記録を出力することにより作成した書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提出の要求に応じることができる場合には、その出力書面等の保存をもってその電磁的記録の保存を行っているものとして取り扱って差し支えない。 官 報 第645号2頁 令和3年12月27日月曜日(官報掲載省令) 「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和3年財務省令第25号)の一部を改正する省令」(令和3年財務省令第80号) (改正の趣旨) 令和3年度税制改正における電子帳簿保存法の一部改正により、令和4年1月1日以後の電子取引の取引情報のデータについては、書面ではなく電子データで保存することとされましたが、税務署長が保存要件を満たすことができないやむを得ない事情があると認め、かつ、税務調査等において電子取引データを書面により提示又は提出することができる場合には、2年間(令和4年1月1日から令和5年12月31日までの期間)保存要件を満たさない状況であっても認めるとする宥恕措置(令和3年財務省令第25号附則に読替え規定追加)が設けられました。 (読替え後の省令改正部分)・・・読替え後の規定が2年間適用されます。 第4条(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存) 1〜2 省略 3 法第7条に規定する保存義務者が、電子取引を行った場合において、災害その他やむを得ない事情により、同条に規定する財務省令で定めるところに従って当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存をすることができなかったことを証明したとき、又は納税地等の所轄税務署長が当該財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができなかったことについてやむを得ない事情があると認め、かつ、当該保存義務者が国税に関する法律の規定による当該電磁的記録を出力することにより作成した書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示若しくは提出の要求に応じることができるようにしているときは、第1項の規定にかかわらず、当該電磁的記録の保存をすることができる。ただし、これらの事情が生じなかったとした場合において、当該財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができなかったと認められるときは、この限りでない。 (太字が今回の省令改正による読替え後の部分です。) 参考 <省令> ○ 財務省令 第80号 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(平成10年法律第25五号)第7条の規定に基づき、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令を次のように定める。 令和3年12月27日 財務大臣 鈴木 俊一 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和3年財務省令第25号)の一部を次のように改正する。 附則第2条第3項を同条第4項とし、同条第2項の次に次の1項を加える。 3 この省令の施行の日から令和5年12月31日までの間に電子取引を行う場合における新令第4条第3項の規定の適用については、同項中「証明したとき」とあるのは「証明したとき、又は納税地等の所轄税務署長が当該財務省令で定めるところに従って当該電磁的記録の保存をすることができなかったことについてやむを得ない事情があると認め、かつ、当該保存義務者が国税に関する法律の規定による当該電磁的記録を出力することにより作成した書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示若しくは提出の要求に応じることができるようにしているとき」と、同項ただし書中「当該事情」とあるのは「これらの事情」とする。 附 則 この省令は、令和4年1月1日から施行する。 令和4年度税制改正大綱(抄)令和3年12月10日 令和4年度税制改正大綱 (抄) 自由民主党 公明党令和3年12月24日 令和4年度税制改正の大綱(抄) 閣議決定 六 納税環境整備 (中略) (7)タイムスタンプの国による認定制度の創設に伴うスキャナ保存制度等の整備 国税関係書類に係るスキャナ保存制度及び電子取引(取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいう。以下同じ。)の取引情報に係る電磁的記録の保存制度のタイムスタンプ要件について、その付与期間内に国税関係書類に係る電磁的記録又は電子取引の取引情報に係る電磁的記録の記録事項に総務大臣が認定する時刻認証業務に係るタイムスタンプ(現行:一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ)を付すこととする。 (注1)上記の改正は、令和4年4月1日以後に保存が行われる国税関係書類又は電子取引の取引情報に係る電磁的記録について適用する。 (注2)令和4年4月1日から令和5年7月29日までの間に保存が行われる国税関係書類又は電子取引の取引情報に係る電磁的記録のタイムスタンプ要件について、従前どおり上記の記録事項に一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを付すことを可能とする経過措置を講ずる。 (8)電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存への円滑な移行のための宥恕措置の整備 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度について、令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に申告所得税及び法人税に係る保存義務者が行う電子取引につき、納税地等の所轄税務署長が当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件に従って保存することができなかったことについてやむを得ない事情があると認め、かつ、当該保存義務者が質問検査権に基づく当該電磁的記録の出力書面(整然とした形式及び明瞭な状態で出力されたものに限る。)の提示又は提供の求めに応じることができようにしている場合には、その保存要件にかかわらず、その電磁的記録の保存をすることができることとする経過措置を講ずる。 (注1)上記の改正は、令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報について適用する。 (注2)上記の電子取引の取引情報に係る電磁的記録の出力書面等を保存している場合における当該電磁的記録の保存に関する上記の措置の適用については、当該電磁的記録の保存要件への対応が困難な事業者の実情に配意し、引き続き保存義務者から納税地等の所轄税務署長への手続を要せずその出力書面等による保存を可能とするよう、運用上、適切に配慮することとする。 (出典)令和3年12月10日 令和4年度税制改正大綱 (nifcloud.com) (出典)令和3年12月24日 令和4年度税制改正の大綱(財務省) |
動画で解説!すぐ分かる!電帳法・インボイス最新情報令和4年1月施行の改正電子帳簿保存法、令和5年10月施行のインボイス制度と、全ての事業者に影響のある制度改正が予定されています。これらの制度改正のポイントを動画で紹介しています。是非ご覧ください。 👉【電子帳簿保存法】まったなし!令和4年1月1日から帳簿や請求書等の保存方法がこう変わる! 令和4年1月1日に電子帳簿保存法が改正され、電子取引データの電子保存が求められます。 「これも電子取引!?」というものも多くあります。 「電子取引」の保存方法を中心に、「スキャナ保存」「電子帳簿」のポイントも解説しています。 ・動画を再生する・・・ 【インボイス制度】先手必勝! 消費税対応はまず事業者登録から令和5年10月1日からインボイス制度が導入されます。当制度の仕組みや制度導入までのスケジュール、事前準備事項などについて解説しています。 「適格請求書発行事業者」の登録申請は当事務所におまかせください。 ・動画を再生する・・・ 電子帳簿保存法、インボイス制度やFX2クラウドの詳細は、 当事務所にお問合せください。 |
お問合せの多いご質問(令和3年 11 月) この追加問答集は、「電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】、 【スキャナ保存関係】、【電子取引関係】(令和3年7月版)」の公表後、 ご質問の多かった事項について追加問として整理し、集約したものです。 (本内容は、次回改訂時の「電子帳簿保存法一問一答」に反映されます。) 令和3年11月12日
T【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】追1 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。追2 既に旧法の承認を受けて電子帳簿保存を行っていますが、その場合であれば、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出は不要となるのでしょうか。 追3 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定について、最短ではいつから適用を受けることが可能となるのでしょうか。 U【スキャナ保存関係】追1 タイムスタンプの付与要件に代えて入力期間内に訂正削除履歴の残るシステムに格納することとする場合には、例えば他社が提供するクラウドサーバにより保存を行い、当該クラウドサーバについて客観的な時刻証明機能を備えている必要があるとのことですが、自社システムで満たすことは可能でしょうか。追2 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。 追3 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。 追4 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。 追5 電子取引の保存方法で認められているような索引簿による方法について、スキャナ保存についても適用は可能でしょうか。また適用が可能な場合に、電子取引のものと兼ねた一覧表や保存システムによることも可能でしょうか。 追6 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。 V【電子取引関係】追1 電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。追2 EDI 取引を行った場合、取引データそのものを保存する必要があるでしょうか、それとも EDI 取引項目を他の保存システムに転送し PDF データ等により保存することも可能でしょうか。 追3 自社のメールシステムでは受領した取引情報に係る電子データについて検索機能を備えることができません。その場合に、メールの内容をPDF等にエクスポートし、検索機能等を備えた上で保存する方法でも認められますか。 追4 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。 追5 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。 追6 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。 追7 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。 W【補足説明】補1 一問一答【電子取引関係】問 24補2 一問一答【電子取引関係】問 33 補3 一問一答【電子取引関係】問 34 補4 一問一答【電子取引関係】問 42 T【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】【電子計算機を使用して作成する帳簿】関係(ダウンロードの求め)帳追1 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。 【回答】 税務調査の際に税務職員が確認可能な状態で提供されれば形式や並び順は問いませんが、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があります。また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合には、保存媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その保存媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。 【解説】 データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにも関わらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合は、そのダウンロードの求めに応じることができるようにしていたことにはなりません(法令解釈通達 4-14 参照)。保存要件を充足するためには、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがある訳ではありません。 なお、「ダウンロードの求め」は、保存媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、質問検査権に基づき、保存媒体の確認を行う場合もありますので、注意してください。 【特例の適用を受ける旨の届出書】関係 帳追2 既に旧法の承認を受けて電子帳簿保存を行っていますが、その場合であれば、法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出は不要となるのでしょうか。 【回答】 既に令和3年度税制改正前の法の承認を受けて法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定の対象となる全ての国税関係帳簿に係る電磁的記録を保存等している場合であっても、あらかじめ、本措置の適用を受ける旨等を記載した届出書の提出が必要となります(問 39 参照)。なお、この「あらかじめ」の適用に当たっては、本措置の適用を受けようとする国税の法定申告期限までにその届出書の提出があれば、あらかじめ提出があったものとして取り扱うこととされています(取扱通達8−4) 【経過措置】関係(加算税軽減の適用) 帳追3 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定について、最短ではいつから適用を受けることが可能となるのでしょうか。 【回答】 法第8条第4項(過少申告加算税の軽減措置)の規定は、令和4年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。 具体的には、令和4年1月1日以後に国税関係帳簿の備付けを開始する場合には、個人事業者であれば令和4年分の所得税について、法人であれば令和4年1月1日以後に開始する事業年度の法人税について、それぞれ適用が可能となります。 他方、令和3年度税制改正前の法の承認を受けて規則第5条第1項に定める特例国税関係帳簿の全てについて電磁的記録による保存等を行っている場合には、個人事業者であれば令和3年分の所得税について、法人であれば令和4年1月1日以後に法定申告期限が到来する事業年度の法人税について、それぞれ適用が可能となります。 なお、優良な電子帳簿に係る過少申告加算税の軽減措置の適用に当たっては、修正申告書又は更正に係る課税期間の初日(新たに業務を開始した個人のその業務を開始した日の属する課税期間については、同日)から引き続き、優良な電子帳簿の要件を満たしている必要があることから、令和3年度税制改正前の法の承認を受けて電子帳簿を保存等している保存義務者についても、例えば、令和3年分の所得税についてその軽減措置の適用を受けようとする場合には、その所得税の課税期間の初日である令和3年1月1日から、承認を受けて電子帳簿の保存等を行っている必要があります。 |
U【スキャナ保存関係】【タイムスタンプ】関係(代替措置)ス追1 タイムスタンプの付与要件に代えて入力期間内に訂正削除履歴の残るシステムに格納することとする場合には、例えば他社が提供するクラウドサーバにより保存を行い、当該クラウドサーバについて客観的な時刻証明機能を備えている必要があるとのことですが、自社システムで満たすことは可能でしょうか。 【回答】 時刻証明機能を他社へ提供しているベンダー企業以外は自社システムによりタイムスタンプ付与の代替要件を満たすことはできないと考えられます。 【解説】 自社システムについては、保存された時刻の記録についての非改ざん性を完全に証明することはできないため、法令解釈通達4-28 が求めるように保存日時の証明が客観的に担保されている場合に該当しないことから、原則自社システムで当該要件を満たすことはできません。ただし、時刻証明機能を備えたクラウドサービス等を他社へ提供しているベンダー企業等の場合には、サービスの提供を受けている利用者(第三者)との関係性から当該システムの保存時刻の非改ざん性が認められることから、自社システムであっても例外的に客観性を担保し得ると考えられます。 したがって、当該サービスを提供しているベンダー企業以外で自社システムを使用して保存要件を充足しようとする場合には、代替要件によらずタイムスタンプを付与することが必要と考えられます。 【検索機能】関係 ス追2 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。 【回答】 帳簿の処理方法(税込経理/税抜経理)に合わせるべきと考えられますが、受領した国税関係書類に記載されている取引金額を検索要件の記録項目とすることとしても差し支えありません。 【解説】 検索機能の確保の要件は、税務調査の際に必要なデータを確認することを可能とし、調査の効率性の確保に資するために設けられているものと考えられます。また、税務調査では帳簿の確認を基本とし、帳簿に関連する書類や取引情報の確認を行っていくことが想定されることから、基本的には帳簿と同じ金額で検索できるようにしておくべきと考えられます。 他方で、受領した国税関係書類に記載されている金額を記録項目としていても問題はありません。 【検索機能】関係 ス追3 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。 【回答】 記載すべき金額がない書類については、「取引金額」を空欄又は0円と記載することで差し支えありません。ただし、空欄とする場合でも空欄を対象として検索できるようにしておく必要があります。 【検索機能】関係(ダウンロードの求め) ス追4 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。 【回答】 税務調査の際に税務職員が確認可能な状態で提供されれば形式や並び順は問いませんが、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があります。また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合には、保存媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その保存媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。 【解説】 データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにも関わらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合は、そのダウンロードの求めに応じることができるようにしていたことにはなりません(法令解釈通達 4-14 参照)。保存要件を充足するためには、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがある訳ではありません。 「ダウンロードの求め」は保存媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、質問検査権に基づき、保存媒体の確認を行う場合もありますので、注意してください。 【検索機能】関係(索引簿) ス追5 電子取引の保存方法で認められているような索引簿による方法について、スキャナ保存についても適用は可能でしょうか。また適用が可能な場合に、電子取引のものと兼ねた一覧表や保存システムによることも可能でしょうか。 【回答】 一覧表を作成し、個々の保存ファイル名と対応させること(いわゆる索引簿方式)により検索機能を確保する方法はスキャナ保存についても適用しても差し支えありません。また、スキャナ保存と電子取引に係る取引情報に係る電磁的記録の保存について、同じ索引簿や保存システムを使用することとしている場合であっても、明瞭な状態で確認でき、速やかに出力できれば問題ありません。 一方で、スキャナ保存を行う場合には、スキャンしたデータのヴァージョン管理などその他の要件を満たす必要があることに留意してください。 なお、この索引簿等を使用した方法による検索機能の確保は、令和3年度の税制改正が適用される前のスキャナ保存においても認められます。 【その他】関係(留意事項) ス追6 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。 【回答】 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を出力した書面について、スキャナ保存することは認められません。 【解説】 令和3年度税制改正においては、真実性確保のための要件(改ざん防止要件)が特段課されていない出力した書面等は、他者から受領した電子データとの同一性が必ずしも十分に確保できているとは言えないことから、出力書面等による保存措置が廃止されたところです。したがって、他者から受領した電子データを書面等に出力して保存することは、電子帳簿保存法や他の税法に基づくものではありませんので、当然、その出力書面等は電子帳簿保存法に基づくスキャナ保存の対象となりません。 ただし、電子帳簿保存法に従った電子データの保存が適切に行われている前提で、それとは別に各納税者が社内経理の便宜などのために書面等への出力を行うことや、スキャナで読み取るなどの処理を行うこと自体を禁止するものではありません。 V【電子取引関係】【制度の概要等】関係(紙と電子データの重複)電取追1 電子取引で受け取った取引情報について、同じ内容のものを書面でも受領した場合、書面を正本として取り扱うことを取り決めているときでも、電子データも保存する必要がありますか。 【回答】 電子データと書面の内容が同一であり、書面を正本として取り扱うことを自社内等で取り決めている場合には、当該書面の保存のみで足ります。ただし、書面で受領した取引情報を補完するような取引情報が電子データに含まれているなどその内容が同一でない場合には、いずれについても保存が必要になります。 【解説】 取引において、通常、請求書は一つであるから、正本・副本がある場合その正本を保存すれば足りると考えられます。ただし、書面で受領した取引情報に加えて、その詳細をメール本文で補足している場合等、当該電子データに正本を補完するような取引情報が含まれている場合等には、正本である書面の保存に加え、電子データの保存も必要になると考えられます。 【保存方法】関係(EDI の保存方法) 電取追2 EDI 取引を行った場合、取引データそのものを保存する必要があるでしょうか、それとも EDI 取引項目を他の保存システムに転送し PDF データ等により保存することも可能でしょうか。 【回答】 データそのものに限らず、当該 EDI データについて、取引内容が変更されるおそれのない合理的な方法により編集されたデータにより保存することも可能と考えられます。 【解説】 電子取引を行った場合には、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないと規定されているところ、必ずしも、相手方とやり取りしたデータそのもののみしか保存が認められないとは解されません。 例えば、EDI の取引データを XML データでやり取りしている場合において、当該 XML データを一覧表としてエクセル形式に変換して保存する場合は、その過程において取引内容が変更される恐れがなく合理的な方法により編集したものと考えられるため、当該エクセル形式のデータによる保存も認められると考えられます。 なお、授受したデータを手動により転記して別形式のデータを作成する場合は、取引内容の変更可能性があることから、当該別形式のデータは合理的に編集したものに当たらないものと考えられます。 【検索機能】関係(メールの保存方法) 電取追3 自社のメールシステムでは受領した取引情報に係る電子データについて検索機能を備えることができません。その場合に、メールの内容をPDF等にエクスポートし、検索機能等を備えた上で保存する方法でも認められますか。 【回答】 認められます。 【解説】 当該メールに含まれる取引情報が失われないのであれば、メールの内容をPDF等にエクスポートするなど合理的な方法により編集したもので保存することとしても差し支えありません。 【検索機能】関係 電取追4 検索要件の記録項目である「取引金額」については税抜、税込どちらとすべきでしょうか。 【回答】 帳簿の処理方法(税込経理/税抜経理)に合わせるべきと考えられますが、受領した国税関係書類に記載されている取引金額を検索要件の記録項目とすることとしても差し支えありません。 【解説】 検索機能の確保の要件は、税務調査の際に必要なデータを確認することを可能とし、調査の効率性の確保に資するために設けられているものと考えられます。また、税務調査では帳簿の確認を基本とし、帳簿に関連する書類や取引情報の確認を行っていくことが想定されることから、基本的には帳簿と同じ金額で検索できるようにしておくべきと考えられます。 他方で、受領した国税関係書類に記載されている金額を記録項目としていても問題はありません。 【検索機能】関係 電取追5 例えば単価契約のように、取引金額が定められていない契約書や見積書等については、検索要件における「取引金額」をどのように設定すべきでしょうか。 【回答】 記載すべき金額がない書類については、「取引金額」を空欄又は0円と記載することで差し支えありません。ただし、空欄とする場合でも空欄を対象として検索できるようにしておく必要があります 【検索機能】関係(ダウンロードの求め) 電取追6 「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合の当該電磁的記録の提出について、提出の際のデータの形式や並び順について決まりがあるのでしょうか。また、保存媒体自体についても提示・提出の必要はあるのでしょうか。 【回答】 税務調査の際に税務職員が確認可能な状態で提供されれば形式や並び順は問いませんが、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要があります。また、「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしておく場合には、保存媒体の提示・提出に応じることができるようにしておくことまでは含まれていませんが、その保存媒体についても、質問検査権に基づく確認の対象となる場合があります。 【解説】 データのダウンロードを求める際には、通常出力が可能な範囲で税務職員が出力形式を指定することもありますが、出力可能な形式でダウンロードを求めたにも関わらず、検索性等に劣るそれ以外の形式で提出された場合は、そのダウンロードの求めに応じることができるようにしていたことにはなりません(法令解釈通達 4-14 参照)。保存要件を充足するためには、通常出力できるであろうファイル形式等で提供される必要がありますが、その内容について並び順等に関する統一的な決まりがある訳ではありません。 なお、「ダウンロードの求め」は保存媒体自体の提示・提出までを求めるものではありませんが、税務調査の際には、質問検査権に基づき、保存媒体の確認を行う場合もありますので、注意してください。 【その他】関係(留意事項) 電取追7 電子取引の取引情報に係る電磁的記録について、一度、出力して書面にしたものを、スキャナ保存することは認められますか。 【回答】 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を出力した書面について、スキャナ保存することは認められません。 【解説】 令和3年度税制改正においては、税務手続の電子化を進める上での電子取引の重要性に鑑み、他者から受領した電子データとの同一性が十分に確保できないことから、真実性確保のための要件(改ざん防止要件)が課されていない出力書面等による保存措置が廃止されたところであり、この出力書面による保存自体が電子帳簿保存法上の保存方法とならないこととなりますので、当然、その出力書面をスキャナ保存することも電子帳簿保存法上の保存方法とはならないこととなります。 ただし、電子帳簿保存法に従った電子データの保存が適切に行われている前提で、それとは別に各納税者が社内経理の便宜などのために書面への出力を行うことや、スキャナで読み取るなどの処理を行うこと自体を禁止するものではありません。 |
W【補足説明】補1 一問一答【電子取引関係】問 24 <取引情報の保存要件> 【補足説明】 「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」の法人の例において、第6条に対象となるデータの項目がありますが、取引先等とデータでやりとりしたもののうち、取引情報(取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項)が含まれるデータについては、全て要件に従ってデータのまま保存していただく必要がありますのでご注意ください。 補2 一問一答【電子取引関係】問 33 <検索機能確保要件> 【補足説明】 検索機能の確保の要件について、システム上の検索機能を有している場合のほか、電磁的記録のファイル名に、規則性を有して記録項目を入力することにより電子的に検索できる状態にしておく等の一定の方法により検索できる状態であるときは、当該要件を満たしているものとして取り扱うこととされていますが(取扱通達4−12)、この取扱いは、令和3年度税制改正が適用されないもの、すなわち、令和4年1月1日前にスキャナ保存が行われた国税関係書類又は同日前に行った電子取引の取引情報についても認められます。 なお、「検索をすることができる機能を確保しておくこと」の要件についての記録項目は、改正前のものである必要があり、具体的な要件は、下記のとおりとなりますので、留意が必要です。 @ 取引年月日、勘定科目、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目 (記録項目)を検索の条件として設定することができること。 A 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。 B 2以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。 補3 一問一答【電子取引関係】問 34 <検索要件確保等の要否> 【補足説明】 本問では、個人事業者については、電子取引が行われた日の属する年の前々年の1月1日から 12 月 31 日までの期間の売上高、法人については、電子取引が行われた日の属する事業年度の前々事業年度の売上高が 1,000 万円を超えるかどうかで判断することを説明しています。 なお、基準期間の売上高が 1,000 万円以下の場合に検索要件の確保が不要とされるこの措置は、消費税法第9条(小規模事業者に係る納税義務の免除)の内容を勘案して定められたものであることから、売上高が 1,000 万円を超えるかどうかを判定する基準期間については、消費税法の場合と同様の方法で判断することとなります。したがって、基準期間が1年でない法人については、基準期間の売上高を基準期間に含まれる事業年度の月数で除し、これに 12 を乗じて算出した金額を用いて 1,000 万円を超えるかどうかで判断します。 また、本問で例示しているとおり、基準期間がない新規事業者・新設法人の初年(度)及び翌年(度)の判定期間については、検索機能の確保が不要となるほか、組織変更等の場合の判定期間の取扱いについては、消費税法の場合と同様の方法で判断することとなります。 補4 一問一答【電子取引関係】問 42 <青色申告承認取消・経費否認関係> 【補足説明】 電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として、電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。 これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず、直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。 |
*電子取引データの保存方法をご確認ください(令和3年11月) 0021011-068.pdf (nta.go.jp) *教えて!令和3年度改正「電子帳簿保存法」 0021011-017.pdf (nta.go.jp) |
電子帳簿保存法関係1.電子帳簿保存法の概要 2.パンフレット(過去の主な改正を含む) 3.関係法令・取扱通達等 4.届出等の様式 5.一問一答(Q&A) 6.制度創設等の背景 7.JIIMA認証情報リスト 8.要件適合性に関する事前相談窓口 9.令和3年度税制改正 *.電子帳簿保存制度特設サイト ホーム/法令等/その他法令解釈に関する情報/電子帳簿保存法関係/電子帳簿等保存制度特設サイト 電子帳簿保存法は、税務関係帳簿書類のデータ保存を可能とする法律で、同法に基づく各種制度を利用することで、経理のデジタル化が図れます。 制度別に調べる項目別に調べる法令取扱通達 Q&A 制度の概要 パンフレット・紹介動画 届出様式 ※ 上記の項目部分をクリックすると、該当ページにジャンプします。 製品・問い合わせ先を調べる電帳法対応の市販ソフトが知りたい自社開発システムの要件定義に悩んでいる制度に関する一般的なご相談(制度や法令等の解釈・適用についてのご相談や手続案内など)※ リンク先の電話で相談する(国税局電話相談センターのご案内)をご確認ください。 |