適格請求書等保存方式
令和5年10月1日開始 農産物等の特例➢ 卸売市場等を通じて取引される農産物の留意点 ➢ 交付義務の免除(市場を通じた委託販売) (卸売市場を通じた委託販売) 問36 卸売市場を通じた生鮮食料品等の委託販売は、出荷者等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。【令和2年9月改訂】 【答】 卸売市場法に規定する卸売市場において、同法に規定する卸売業者が卸売の業務として出荷者から委託を受けて行う同法に規定する生鮮食料品等の販売は、適格請求書を交付することが困難な取引として、出荷者等から生鮮食料品等を購入した事業者に対する適格請求書の交付義務が免除されます(新消法57の4@、新消令70の9A二イ)。 本特例の対象となる卸売市場とは、 @ 農林水産大臣の認定を受けた中央卸売市場 A 都道府県知事の認定を受けた地方卸売市場 B @及びAに準ずる卸売市場として農林水産大臣が財務大臣と協議して定める基準を満たす卸売市場のうち農林水産大臣の確認を受けた卸売市場 とされています。 農林水産大臣が財務大臣と協議して定める基準は、以下の5つが定められています(令和2年農林水産省告示第683号)。 @ 生鮮食料品等(卸売市場法第2条第1項に規定する生鮮食料品等をいいます。Aについても同じ。)の卸売のために開設されていること A 卸売場、自動車駐車場その他の生鮮食料品等の取引及び荷捌きに必要な施設が設けられていること B 継続して開場されていること C 売買取引の方法その他の市場の業務に関する事項及び当該事項を遵守させるための措置に関する事項を内容とする規程が定められていること D 卸売市場法第2条第4項に規定する卸売をする業務のうち販売の委託を受けて行われるも のと買い受けて行われるものが区別して管理されていること なお、この場合において、生鮮食料品等を購入した事業者は、卸売の業務を行う事業者など媒介又は取次ぎに係る業務を行う者が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の要件となります。仕入税額控除の要件については、問68《仕入税額控除の要件》をご参照ください。 【参考】 ○ 卸売市場法第2条(定義) この法律において「生鮮食料品等」とは、野菜、果実、魚類、肉類等の生鮮食料品その他一般消費者が日常生活の用に供する食料品及び花きその他一般消費者の日常生活と密接な関係を有する農畜水産物で政令で定めるものをいう。 2 この法律において「卸売市場」とは、生鮮食料品等の卸売のために開設される市場であつて、卸売場、自動車駐車場その他の生鮮食料品等の取引及び荷さばきに必要な施設を設けて継続して開場されるものをいう。 3 (省略) 4 この法律において「卸売業者」とは、卸売市場に出荷される生鮮食料品等について、その出荷者から卸売のための販売の委託を受け、又は買い受けて、当該卸売市場において卸売をする業務を行う者をいう。 5 (省略) ○ 卸売市場法施行令第1条(一般消費者の日常生活と密接な関係を有する農畜水産物) 卸売市場法第2条第1項の政令で定める農畜産物は、次に掲げるものとする。 一 野菜及び果樹の種苗 二 牛、馬、豚、めん羊及び山羊の原皮 (農協等を通じた委託販売) 問37 農業協同組合等を通じた農林水産物の委託販売は、組合員等の適格請求書の交付義務が免除されるそうですが、具体的には、どのような取引が対象となりますか。 【答】 農業協同組合法に規定する農業協同組合や農事組合法人、水産業協同組合法に規定する水産業協同組合、森林組合法に規定する森林組合及び中小企業等協同組合法に規定する事業協同組合や協同組合連合会(以下これらを併せて「農協等」といいます。)の組合員その他の構成員が、農協等に対して、無条件委託方式かつ共同計算方式により販売を委託した、農林水産物の販売(その農林水産物の譲渡を行う者を特定せずに行うものに限ります。)は、適格請求書を交付することが困難な取引として、組合員等から購入者に対する適格請求書の交付義務が免除されます(新消法57の4@、新消令70の9A二ロ)。 なお、無条件委託方式及び共同計算方式とは、それぞれ、次のものをいいます(新消令70の9A二ロ、新消規26の5A)。 @ 無条件委託方式 出荷した農林水産物について、売値、出荷時期、出荷先等の条件を付けずに、その販売を委託すること A 共同計算方式 一定の期間における農林水産物の譲渡に係る対価の額をその農林水産物の種類、品質、等級その他の区分ごとに平均した価格をもって算出した金額を基礎として精算すること また、この場合において、農林水産物を購入した事業者は、農協等が作成する一定の書類を保存することが仕入税額控除の要件となります。仕入税額控除の要件については、問68《仕入税額控除の要件》をご参照ください。 【参考】 ○ 農業協同組合法第4条(法人性) 農業協同組合及び農業協同組合連合会(以下「組合」と総称する。)は、法人とする。 ○ 水産業協同組合法第2条(組合の種類) 水産業協同組合(以下この章及び第七章から第九章までにおいて「組合」という。)は、漁業協同組合、漁業生産組合及び漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会並びに共済水産業協同組合連合会とする。 ○ 森林組合法第4条(事業の目的) 森林組合、生産森林組合及び森林組合連合会(以下この章、第五章及び第六章において「組合」と総称する。)は、その行う事業によつてその組合員又は会員のために直接の奉仕をすることを旨とすべきであつて、営利を目的としてその事業を行つてはならない。 2 (省略) ○ 中小企業等協同組合法第3条(種類) 中小企業等協同組合(以下「組合」という。)は、次に掲げるものとする。 一 事業協同組合 一の二 事業協同小組合 二 信用協同組合 三 協同組合連合会 四 企業組合 |
🔵 INVOICE SYSTEM INFORMATION 🔵 インボイス制度特設サイト (国税庁;2018.08.18) |
国税庁では、このたび、令和5年10月1日から消費税において「適格請求書等保存方式」(以下「インボイス制度」といいます。)が導入されることに伴い、法人税における消費税経理通達の改正のほか、これに関係する趣旨説明及びQ&Aを公表しましたので紹介します。 (消費税経理通達改正の背景) 令和5年10月1日からは、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入され、インボイス制度の下では、仕入税額控除の要件として、原則、税務署長に申請して登録を受けた課税事業者である「適格請求書発行事業者」(注)から交付を受けた「適格請求書」等の保存が必要になります(新消法30FGH)。 (注)適格請求書発行事業者の登録は、令和3年 10月から登録申請手続きが開始されます。 |
このインボイス制度導入後においては、仕入税額控除の適用を受ける課税仕入れに係る消費税額は、適格請求書の記載事項に基づき計算した金額とされ、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れは、原則として仕入税額控除の適用を受けることができなくなります(新消法 30@)。これにより、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、課税仕入れに係る消費税額はないこととなります。 そうしますと、法人税では仕入税額控除の適用を受ける課税仕入れ等の消費税額に相当する金額が仮払消費税等の額とされていますので、税務上は仮払消費税等の額がないこととなります(法令139の4DE、法規28A)。今回の法人税の消費税経理通達の改正は、上記の消費税のインボイス制度の導入を踏まえた改正内容等となっています。 |
(国税庁から公表された消費税経理通達改正及び関係情報) (1) 令和3年2月9日付課法2−6 「『消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて』の一部改正について」(法令解釈通達) (2) 令和3年2月9日付課法2−6 「『消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて』の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明 (3) 令和3年改正消費税経理通達関係Q&A 以上
令和 3年 2月24日(第1323号)TKC税務研究所 |
インボイス制度導入に伴う消費税経理通達の改正 (1)インボイス制度の導入 消費税の納付税額は、課税売上げに係る消費税額から課税仕入れ等に係る消費税額を控除して算出することとされており、この控除することを「仕入税額控除」という。 令和5年10月1日からは、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として 、「適格請求書等保存方式」(以下「インボイス制度」という。)が導入され 、インボイス制度の下では 、税務署長に申請して登録を受けた課税 事業者である「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」等の保存が仕入税額控除の要件となる。 この仕入税額控除の対象となる課税仕入れに係る消費税額について、インボイス制度導入前においては、課税仕入れに係る支払対価の額に 110 分 の 7.8(軽減税率が適用されるものである場合は 108 分 の 6.24)を乗じて算出した金額とされている( 28年改正法による改正前の消法30@、28年改正法附則34A)。 一方 、インボイス制度導入後においては 、仕入税額控除の対象となる課税仕入れに係る消費税額は、適格請求書又は適格簡易請求書の記載事項に基づき計算した金額その他の政令で定めるところにより計算した金額とされ、免税事業者や消費者など 、適格請求書発行事業者以外の者( 以下「免税事業者等 」という。)から行った課税仕入れ(古物営業を営む者が棚卸資産を取得する取引等を除く。以下同じ。)は 、原則として仕入税額控除の適用を受けることができなくな る( 28年改正法による改正後の消法 30@ )。 (2)仮払消費税等として計上する金額 消費税の納税義務者である法人は、法人税の課税所得金額の計算に当たり、消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という 。)の経理処理については、 ・ 消費税等の額とこれに係る取引の対価の額とを区分して経理する「税抜経理方式」と、 ・ 消費税等の額とこれに係る取引の対価の額とを区分しないで経理する「税込経理方式」 とのうちいずれかを選択して適用できることとしている( 旧経理通達3 )。 この税抜経理方式とは、消費税法第2条第1項第9号に規定する課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税の額及び当該消費税の額を課税標準として課されるべき地方消費税の額に相当する金額並びに同法第30条第2項に規定する課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額を、それぞれ仮受消費税等及び仮払消費税等としてこれらに係る取引の対価と区分する会計処理の方法その他これに準ずる会計処理の方法による経理であるとされている( 令 139の4D 、規 28A )。 そして、ここでいう課税仕入れ等の税額とは 、仕入税額控除の対象となる課税仕入れに係る消費税額、特定課税仕入れに係る消費税額及び保税地域からの引取りに係る課税貨物につき課された又は課されるべき消費税額となる(消法 30@ A )。 すなわち、免税事業者等から行った課税仕入れについて 、インボイス制度導入前においては、課税仕入れに係る仮払消費税等の額は、地方消費税も加味したところで、課税仕入れに係る支払対価の額に 110 分 の 10(軽減税率の対象となるものは108 分の8)を乗じて算出した金額に相当する額としていたが、インボイス制度導入後は、課税仕入れであっても適格請求書又は適格簡易請求書の保存がない場合には原則として仕入税額控除の適用を受けることができなくなる(注)ため、免税事業者等からの課税仕入れについて仕入税額控除の対象となる課税仕入れ等の税額はないこととなる。この点、法人税に関する法令では、税抜経理をした場合の仕入税額控除の対象となる課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額の合計額が仮払消費税等の額とされているので、免税事業者等からの課税仕入れについては仮払消費税等の額がないこととなる。 (注)免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置 インボイス制度導入後6年間は、免税事業者等からの課税仕入れについても、区分記載請求書等と同様の事項が記載された請求書等を保存し、帳簿にこの経過措置の規定の適用を受ける旨が記載されている場合には、仕入税額相当額の一定割合を課税仕入れに係る消費税額とみなす経過措置が設けられている。 具体的には、次の課税仕入れの区分に応じてそれぞれ次の金額が仕入税額控除の対象となる課税仕入れに係る消費税額に該当する( 28年改正法附則 52、53)。 ・ 令和5年10月1日から令和8年9月3 0日までの間に行われた課税仕入れ 当該課税 仕入れに係る支払対価の額に 110 分 の 7.8(軽減税率が適用されるものである場合は 108 分 の 6.24)を乗じて算出した金額に 100 分 の 80 を乗じて算出した金額 ・ 令和8年10月1日から令和11年9月30日までの間に行われた課税仕入れ 当該課税仕入れに係る支払対価の額に 110 分 の 7.8(軽減税率が適用されるものである場合は 108 分 の 6.24)を乗じて算出した金額に 100 分 の 50 を乗じて算出した金額 (3)見直しの必要性 インボイス制度導入後は、免税事業者等からの課税仕入れについて 仕入税額控除の対象となる課税仕入れ等の税額がなく、取引の対価の額と区分される消費税等の額はない。他方で、システム対応や事務負担等の観点から 免税事業者等からの課税仕入れについてインボイス制度導入前どおりに仮払消費税等を計上する経理が行われることもありうるところである。 この点、消費税経理通達では、仮受消費税等の額から仮払消費税等の額を控除した金額と 納付すべき消費税等の額との間に差額がある場合には、当該差額についてはその差額が生じた課税期間を含む事業年度の益金の額又は損金の額とする取扱いがあるため( 経理通達6 )、仮にインボイス制度導入前どおりに仮払消費税等を計上する経理が行われた場合には、その経理が行われた金額について 納付すべき消費税等の額との間に差額が生じ、その経理が行われた金額はその事業年度の損金の額に算入されるのではないかとの疑義が生ずる。しかしながら、課税仕入れ等の税額がないのに仮払消費税等を計上する経理が行われるのは事実に即した経理処理ではない。このことから、法人税法施行令も免税事業者等からの課税仕入れについて控除対象外消費税額等が生じない構成となっており、これと同様に、これまでの消費税経理通達の取扱いを見直すこととし、免税事業者等からの課税仕入れについて、仮に仮払消費税等として経理をした金額があっても、その経理をした金額を取引の対価の額に算入して法人税の課税所得金額の計算を行うことを明らかにすることとした。具体的には、仮払消費税等の額とは、法令の規定により仕入税額控除の対象となる課税仕入れ等に係る消費税額等の合計額であることとし、これと異なる金額で経理をした場合には、その差額をその取引の対価の額に算入して法人税の課税所得金額の計算を行うこととした。 令和3年改正消費税経理通達関係Q&A(令和3年2月) |
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消費税の仕入税額控除制度における 適格請求書等保存方式 に関する取扱通達の制定について(法令解釈通達)
課軽2−8
課個2−13 課法4−17 課消2−7 課審8−18 査調5−6 平成30年6月6日 最終改正令和2年4月1日課軽2−1 各国税局長 殿 沖縄国税事務所長 殿 国税庁長官
(官印省略) 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達の制定について(法令解釈通達) 標題のことについては、別冊のとおり定めたから、令和5年10月1日以降これにより取り扱われたい。 (理由) 「所得税法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第15号)、「所得税法等の一部を改正する法律」(平成30年法律第7号)、 「消費税法施行令等の一部を改正する政令」(平成30年政令第135号)及び「消費税法施行規則等の一部を改正する省令」(平成30年財務省令第18号) の規定により、令和5年10月1日から消費税の仕入税額控除制度に適格請求書等保存方式が導入されることによる。 別冊 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達 第一 定義関係 (用語の意義) 1−1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。 なお、定めがないものは、消費税法基本通達(平成7年12月25日付課消2−25ほか4課共同「消費税法基本通達の制定について」(法令解釈通達)の別冊)に定めるところによる。 (1) 28年改正法 所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号) (2) 改正法 所得税法等の一部を改正する法律(平成30年法律第7号) (3) 改正令 消費税法施行令等の一部を改正する政令(平成30年政令第135号) (4) 改正省令 消費税法施行規則等の一部を改正する省令(平成30年財務省令第18号) (5) 法 28年改正法及び改正法による改正後の消費税法 (6) 令 改正令による改正後の消費税法施行令 (7) 規則 改正省令による改正後の消費税法施行規則 (8) 適格請求書 法第57条の4第1項に規定する適格請求書をいう。 (9) 適格簡易請求書 法第57条の4第2項に規定する適格簡易請求書をいう。 (10) 適格請求書発行事業者 法第2条第1項第7号の2に規定する適格請求書発行事業者をいう。 (11) 軽減対象課税資産の譲渡等 法第2条第1項第9号の2に規定する軽減対象課税資産の譲渡等をいう。 (12) 軽減税率 100分の6.24をいう。 (13) 標準税率 100分の7.8をいう。 第二 適格請求書発行事業者の登録制度関係 (登録申請書を提出することができる事業者) 2−1 適格請求書発行事業者の登録(法第57条の2第1項《適格請求書発行事業者の登録等》に規定する登録をいう。以下同じ。)を受けることができるのは、課税事業者に限られるのであるが、免税事業者であっても、例えば、次の場合のように、登録を受けようとする課税期間において課税事業者となるときは、法第57条の2第2項《適格請求書発行事業者の登録申請》に規定する申請書(以下「登録申請書」という。)を提出することができることに留意する。 (1) 免税事業者である事業者が、基準期間における課税売上高が1,000万円超であることにより、翌課税期間から課税事業者となる場合 (2) 免税事業者である事業者が、法第9条第4項《課税事業者の選択》に規定する届出書(以下「課税事業者選択届出書」という。)を提出し、課税事業者となることを選択する場合 (注) 免税事業者が課税事業者となる課税期間の初日から登録を受けようとするときは、原則として、当該課税期間の初日の前日から起算して1月前の日までに登録申請書を提出しなければならない。 (新たに事業を開始した場合の適格請求書発行事業者の登録) 2−2 新たに事業を開始した事業者 が、その事業を開始した日の属する課税期間の初日から適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合の規則第26条の4第1号《事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》に規定する「国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」については、原則として、個人事業者が新たに事業を開始した日の属する課税期間及び法人の設立の日の属する課税期間をいうのであるが、非課税資産の譲渡等のみを行っていた事業者又は国外取引のみを行っていた事業者が、新たに国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した課税期間もこれに含まれることに留意する。 また、次に掲げる課税期間も、これに含むものとして取り扱う。 (1) その課税期間開始の日の前日まで2年以上にわたって国内において行った課税資産の譲渡等又は課税仕入れ及び保税地域からの引取りがなかった事業者が、課税資産の譲渡等に係る事業を再び開始した課税期間 (2) 設立の日の属する課税期間においては設立登記を行ったのみで事業活動を行っていない免税事業者である法人が、その翌課税期間等において実質的に事業活動を開始した場合の当該課税期間等 ※法人設立:登録日(新消令70の4、新消規26の4) (登録番号の構成) 2−3 適格請求書発行事業者登録簿に登載する登録番号(法第57条の2第4項《適格請求書発行事業者の登録等》に規定する登録番号をいう。以下同じ。)は、次の区分に応じ、それぞれ次によるものとする。 (1) 法人番号を有する課税事業者 法人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号)第2条第15項《定義》に規定する法人番号をいう。)及びその前に付されたローマ字の大文字Tにより構成されるもの (2) (1)以外の課税事業者 13桁の数字(法人番号と重複しないものとし、当該課税事業者の個人番号(同法第2条第5項に規定する個人番号をいう。)は利用しないものとする。)及びその前に付されたローマ字の大文字Tにより構成されるもの (適格請求書発行事業者の登録の効力) 2−4 適格請求書発行事業者の登録は、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日(以下「登録日」という。)からその効力を有するのであるから、法第57条の2第7項《登録等の通知》による通知を受けた日にかかわらず、適格請求書発行事業者は、登録日以後に行った課税資産の譲渡等について法第57条の4第1項の規定に基づき適格請求書を交付することとなることに留意する。 (注)1 登録日から登録の通知を受けた日までの間に行った課税資産の譲渡等について、既に請求書等の書類を交付している場合には、当該通知を受けた日以後に登録番号等を相手方に書面等(既に交付した書類との相互の関連が明確であり、当該書面等の交付を受ける事業者が同項各号に掲げる事項を適正に認識できるものに限る。)で通知することにより、これらの書類等を合わせて適格請求書の記載事項を満たすことができる。 (注)2 適格請求書発行事業者の登録がされた場合、登録日その他の適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項が、インターネットを通じて公表されることとなる。また、適格請求書発行事業者の登録が取り消された又はその効力を失った場合のその年月日についても同様である。 (適格請求書発行事業者における法第9条第1項本文の適用関係) 2−5 適格請求書発行事業者 は、その登録日の属する課税期間以後の課税期間については、法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定の適用はないことに留意する。 なお、適格請求書発行事業者の登録を受けていないとすれば同項本文の規定の適用がある事業者が、その適用を受けるには、その適用を受けようとする課税期間の前課税期間の末日から起算して 30日前の日の前日 までに、法第57条の2第10項第1号《適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める場合の届出》に規定する適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書の提出が必要となる。 (注) 法第9条第4項《課税事業者の選択》の規定により課税事業者を選択している適格請求書発行事業者が、同条第1項本文の規定の適用を受けるには、法第57条の2第10項第1号に規定する適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書及び法第9条第5項《課税事業者の選択不適用》に規定する届出書の提出が必要となる。 ※(30日前の日からその課税期間の末日までの間(提出)→届出の翌々課税期間の初日(失効) (相続があった場合の登録の効力) 2−6 相続(法第2条第4項《相続等の意義》に規定する相続をいう。)があった場合における適格請求書発行事業者である被相続人の登録は、その事業を承継した相続人が法第57条の3第3項《適格請求書発行事業者が死亡した場合における手続等》の規定により適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者とみなされることとなる同項に規定するみなし登録期間後にその効力を失う。したがって、当該相続人が当該みなし登録期間後においても適格請求書を交付しようとするときは、新たに登録申請書を提出し、適格請求書発行事業者の登録を受けなければならないことに留意する。 なお、当該相続人が当該みなし登録期間中に登録申請書を提出した場合において、当該みなし登録期間の末日までに当該申請書に係る適格請求書発行事業者の登録又は法第57条の2第5項《適格請求書発行事業者の登録の拒否》の処分に係る通知がないときは、同日の翌日から当該通知が当該相続人に到達するまでの期間はみなし登録期間とみなされることから、その間の相続人による適格請求書の交付は被相続人の登録番号により行うこととなる。 ※個人事業者死亡 → 「個人事業者の死亡届出書」(開始後:「適格請求書発行事業者の死亡届出書」) ※事業承継相続人 → 「登録申請書」(注:「相続人をインボイス発行事業者とみなす措置」) (合併又は分割があった場合の登録の効力) 2−7 合併又は分割があった場合における適格請求書発行事業者の登録の効力は、それぞれ次のようになることに留意する。 (1) 吸収合併(法第11条第1項《吸収合併があった場合の納税義務の免除の特例》に規定する合併をいう。以下同じ。)又は新設合併(同条第3項《新設合併があった場合の納税義務の免除の特例》に規定する合併をいう。以下同じ。)があった場合において、被合併法人が受けた適格請求書発行事業者の登録の効力は、当該被合併法人の事業を承継した合併法人には及ばない。したがって、当該合併法人が適格請求書発行事業者の登録を受けようとするときは、新たに登録申請書を提出しなければならない。 なお、法人が、新設合併によりその事業を承継した場合又は吸収合併により適格請求書発行事業者の登録を受けていた被合併法人の事業を承継した場合において、当該法人が合併があった日の属する課税期間中に登録申請書を提出したときは、当該課税期間は、規則第26条の4第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第2号《合併があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。 (2) 分割があった場合において、分割法人が受けた適格請求書発行事業者の登録の効力は、当該分割により当該分割法人の事業を承継した分割承継法人には及ばない。したがって、当該分割承継法人が適格請求書発行事業者の登録を受けようとするときは、新たに登録申請書を提出しなければならない。また、法第12条第7項第2号又は第3号《分割等の意義》に該当する分割等により新設分割親法人の事業を引き継いだ新設分割子法人についても同様である。 なお、法人が、新設分割によりその事業を承継した場合又は吸収分割により適格請求書発行事業者の登録を受けていた分割法人の事業を承継した場合において、当該法人が新設分割又は吸収分割があった日の属する課税期間中に登録申請書を提出したときは、当該課税期間は、規則第26条の4第1号又は第3号《分割があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。 (事業の廃止による登録の失効) 2−8 法第57条の2第10項第2号《適格請求書発行事業者の登録の失効》に規定する「適格請求書発行事業者が事業を廃止した場合」には、法第57条第1項第3号《事業を廃止した場合の届出》に規定する事業を廃止した旨の届出書の提出があった場合のほか、法第9条第5項《課税事業者の選択不適用》、第19条第3項《課税期間の特例の選択不適用》、第37条第5項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の選択不適用》又は第42条第9項《任意の中間申告書の提出の取りやめ》のいずれかに規定する事業を廃止した旨の届出書の提出があった場合も含むことに留意する。 |
第三 適格請求書発行事業者の義務等関係 (適格請求書の意義) 3−1 適格請求書とは、法第57条の4第1項各号《適格請求書発行事業者の義務》に掲げる事項を記載した請求書、納品書その他これらに類する書類をいうのであるが、同項各号に掲げる事項の記載があれば、その書類の名称は問わない。 また、適格請求書の交付に関して、一の書類により同項各号に掲げる事項を全て記載するのではなく、例えば、納品書と請求書等の二以上の書類であっても、これらの書類について相互の関連が明確であり、その交付を受ける事業者が同項各号に掲げる事項を適正に認識できる場合には、これら複数の書類全体で適格請求書の記載事項を満たすものとなることに留意する。 (適格請求書の記載事項に係る電磁的記録の提供) 3−2 適格請求書発行事業者が、法第57条の4第5項の規定により、適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書の交付に代えて行う、これらの書類に記載すべき事項に係る電磁的記録(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第2条第3号《定義》に規定する「電磁的記録」をいう。以下同じ。)の提供には、光ディスク、磁気テープ等の記録用の媒体による提供のほか、例えば、次に掲げるようなものが該当する。 (1) いわゆるEDI取引を通じた提供 (2) 電子メールによる提供 (3) インターネット上のサイトを通じた提供 また、適格請求書に係る記載事項につき、例えば、納品書データと請求書データなど複数の電磁的記録の提供による場合又は納品書と請求書データなど書面の交付と電磁的記録の提供による場合のいずれにおいても、本通達3−1後段に準じて取り扱うこととなる。 ※法57条の4D5 適格請求書発行事業者は、適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項に係る電磁的記録(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第二条第三号(定義)に規定する電磁的記録をいう。以下この条から第五十七条の六までにおいて同じ。)を提供することができる。この場合において、当該電磁的記録として提供した事項に誤りがあつた場合には、前項の規定を準用する。 ※電帳法2条B 電磁的記録 電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によっては認識することができない方式(第五号において「電磁的方式」という。)で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。 (「PDF」ファイル ⇔ 「xml」ファイル) (適格請求書等の記載事項の特例) 3−3 法第57条の4第1項及び第2項《適格請求書発行事業者の義務》に規定する記載事項のうち、次に掲げる事項は、取引先コード、商品コード等の記号、番号等による表示で差し支えない。 ただし、表示される記号、番号等により、当該記載事項である「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」について、当該資産の譲渡等が課税資産の譲渡等かどうか、また、当該資産の譲渡等が課税資産の譲渡等である場合においては、軽減対象課税資産の譲渡等かどうかの判別が明らかとなるものであって、適格請求書発行事業者とその取引の相手方との間で、表示される記号、番号等の内容が明らかであるものに限るものとする。 (1) 法第57条の4第1項第1号《適格請求書発行事業者の義務》に規定する「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」、同項第3号に規定する「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」及び同項第6号に規定する「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」 (2) 法第57条の4第2項第1号《適格請求書発行事業者の義務》に規定する「適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」及び同項第3号に規定する「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」 (注) 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号につき、取引先コード等の記号、番号等で表示する場合においては、当該記号、番号等により、登録の効力の発生時期等の履歴が明らかとなる措置を講じておく必要がある。 (家事共用資産を譲渡した場合の適格請求書に記載すべき課税資産の譲渡等の対価の額等) 3−4 個人事業者である適格請求書発行事業者が、事業と家事の用途に共通して使用するものとして取得した資産を譲渡する場合には、その譲渡に係る金額を事業としての部分と家事使用に係る部分とに合理的に区分するものとし、適格請求書に記載する法第57条の4第1項第4号《適格請求書発行事業者の義務》に掲げる「課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額」及び同項第5号に掲げる「消費税額等」は、当該事業としての部分に係る金額に基づき算出することとなることに留意する。 (共有物の譲渡等における適格請求書に記載すべき課税資産の譲渡等の対価の額等) 3−5 適格請求書発行事業者が、適格請求書発行事業者以外の者である他の者と共同で所有する資産(以下「共有物」という。)の譲渡又は貸付けを行う場合には、当該共有物に係る資産の譲渡等の金額を所有者ごとに合理的に区分するものとし、適格請求書に記載する法第57条の4第1項第4号《適格請求書発行事業者の義務》に掲げる「課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額」及び同項第5号に掲げる「消費税額等」は、自己の部分に係る資産の譲渡等の金額に基づき算出することとなることに留意する。 (適格請求書発行事業者でなくなった場合の適格請求書の交付) 3−6 適格請求書発行事業者が適格請求書発行事業者でなくなった後、適格請求書発行事業者であった課税期間において行った課税資産の譲渡等を受ける他の事業者(法第57条の4第1項《適格請求書発行事業者の義務》に規定する「他の事業者」をいう。)から当該課税資産の譲渡等に係る適格請求書の交付を求められたときは、当該他の事業者にこれを交付しなければならないことに留意する。 (媒介者等に対する通知の方法) 3−7 適格請求書発行事業者が、媒介者等(令第70条の12第1項《媒介者等による適格請求書等の交付の特例》に規定する「媒介者等」をいう。以下同じ。)を介して国内において課税資産の譲渡等を行う場合において、同項の規定の適用を受けるには、当該媒介者等が当該課税資産の譲渡等の時までに当該事業者から適格請求書発行事業者の登録を受けている旨の通知を受けていることが要件となるが、当該通知の方法については、例えば、当該事業者が個々の取引の都度、事前に登録番号を当該媒介者等へ書面等により通知する方法のほか、当該事業者と当該媒介者等との間の基本契約書等に当該事業者の登録番号を記載するといった方法がある。 (媒介者等が交付する適格請求書等の写しの内容) 3−8 媒介者等が令第70条の12第1項《媒介者等による適格請求書等の交付の特例》の規定により事業者に代わって適格請求書等(同項に規定する「適格請求書等」をいう。以下同じ。)を交付し、又は適格請求書等に記載すべき事項に係る電磁的記録を提供した場合には、当該適格請求書等の写し又は当該電磁的記録を当該事業者に対して交付し、又は提供しなければならないが、例えば、当該適格請求書等に複数の事業者に係る記載があるなどにより当該適格請求書等の写しをそのまま交付することが困難な場合には、当該適格請求書等に記載された事項のうち当該事業者に係る事項を記載した精算書等を交付することで差し支えないものとする。 なお、この場合には、当該媒介者等においても交付した当該精算書等の写しを保存するものとする。 (3万円未満のものの判定単位) 3−9 令第70条の9第2項第1号《適格請求書の交付を免除する課税資産の譲渡等の範囲等》及び規則第26条の6第1号《適格請求書等の交付が著しく困難な課税資産の譲渡等》に規定する「税込価額が3万円未満のもの」に該当するかどうかは、一回の取引の課税資産の譲渡等に係る税込価額(法第57条の4第1項第4号《適格請求書発行事業者の義務》に規定する「税込価額」をいう。)が3万円未満であるかどうかで判定するのであるから、課税資産の譲渡等に係る一の商品(役務)ごとの税込価額によるものではないことに留意する。 (公共交通機関特例の対象となる運賃及び料金の範囲) 3−10 令第70条の9第2項第1号イからニまで《適格請求書の交付を免除する課税資産の譲渡等の範囲等》に掲げる旅客の運送には、旅客の運送に直接的に附帯するものとして収受する特別急行料金、急行料金、寝台料金等を対価とする役務の提供は含まれるが、旅客の運送に直接的に附帯するものではない入場料金、手回品料金、貨物留置料金等を対価とする役務の提供は、含まれないことに留意する。 (自動販売機及び自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等の範囲) 3−11 規則第26条の6第1号に規定する「自動販売機又は自動サービス機」とは、商品の販売又は役務の提供(課税資産の譲渡等に該当するものに限る。以下「商品の販売等」という。)及び代金の収受が自動で行われる機械装置であって、当該機械装置のみにより商品の販売等が完結するものをいい、例えば、飲食料品の自動販売機のほか、コインロッカーやコインランドリー等がこれに該当する。 (注) 小売店内に設置されたセルフレジなどのように単に代金の精算のみを行うものは、これに該当しないことに留意する。 (適格請求書に記載する消費税額等の計算に係る端数処理の単位) 3−12 適格請求書発行事業者が適格請求書に記載する消費税額等(法第57条の4第1項第5号《適格請求書発行事業者の義務》に掲げる「消費税額等」をいう。)は、令第70条の10《適格請求書に記載すべき消費税額等の計算》に規定する方法により、課税資産の譲渡等に係る税抜価額(法第57条の4第1項第4号に規定する「税抜価額」をいう。)又は税込価額(同号に規定する「税込価額」をいう。)を税率の異なるごとに区分して合計した金額を基礎として算出し、算出した消費税額等の1円未満の端数を処理することとなるのであるから、当該消費税額等の1円未満の端数処理は、一の適格請求書につき、税率の異なるごとにそれぞれ1回となることに留意する。 (注) 複数の商品の販売につき、一の適格請求書を交付する場合において、一の商品ごとに端数処理をした上でこれを合計して消費税額等として記載することはできない。(インボイスQA問46:商品ごとに端数処理しているものはインボイスとして認められない)(インボイスQA問48:端数処理は事業者の任意) (課税標準額に対する消費税額の計算) 3−13 その課税期間に係る法第45条第1項第2号《課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての確定申告》に掲げる税率の異なるごとに区分した課税標準額に対する消費税額は、原則として、同項第1号に掲げる課税標準額につき、税率の異なるごとに標準税率又は軽減税率を乗じて算出した金額を合計する方法(以下3−13において「総額割戻し方式」という。)により算出した金額となるのであるが、その課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等(同条第5項ただし書の規定に係るものを除く。)につき交付した適格請求書又は適格簡易請求書の写しを法第57条の4第6項《適格請求書発行事業者の義務》の規定により保存している場合(同項の規定により同項に規定する電磁的記録を保存している場合を含む。)には、当該適格請求書又は当該適格簡易請求書に記載した同条第1項第5号又は第2項第5号に掲げる消費税額等及び当該電磁的記録に記録した消費税額等の合計額に100分の78を乗じる方法(以下3−13において「適格請求書等積上げ方式」という。)により算出した金額とすることができることに留意する。 また、取引先ごと又は事業ごとにそれぞれ別の方式によるなど、総額割戻し方式と適格請求書等積上げ方式を併用することとしても差し支えない。 (注)1 法第57条の4第2項第5号に掲げる事項につき、適用税率のみを記載した適格簡易請求書には、消費税額等の記載がないため、適格請求書等積上げ方式によることはできない。 (注)2 その課税期間に係る法第45条第1項第2号に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算につき、適格請求書等積上げ方式による場合(総額割戻し方式と適格請求書等積上げ方式を併用する場合を含む。)には、法第30条第1項《仕入れに係る消費税額の控除》に規定する課税仕入れに係る消費税額の計算につき、令第46条第3項《課税仕入れに係る支払対価の合計額から割戻す方法による消費税額の計算》に規定する計算の方法によることはできない。 (登録前に行った課税資産の譲渡等に係る対価の返還等) 3−14 適格請求書発行事業者が、適格請求書発行事業者の登録を受ける前に行った課税資産の譲渡等(当該事業者が免税事業者であった課税期間に行ったものを除く。)について、登録を受けた日以後に売上げに係る対価の返還等を行う場合には、当該対価の返還等についても法第38条第1項の適用があるが、当該対価の返還等に関する法第57条の4第3項《適格返還請求書の交付義務》の規定の適用はないことに留意する。 (適格請求書発行事業者でなくなった場合の適格返還請求書等の交付) 3−15 適格請求書発行事業者が適格請求書発行事業者でなくなった後において、適格請求書発行事業者であった課税期間において行った課税資産の譲渡等につき、売上げに係る対価の返還等を行った場合には、適格返還請求書を交付しなければならないことに留意する。 (適格返還請求書の交付方法) 3−16 一の事業者に対して、適格請求書及び適格返還請求書(法第57条の4第3項に規定する「適格返還請求書」をいう。以下同じ。)を交付する場合において、それぞれの記載事項を満たすものであれば、一の書類により交付することとしても差し支えない。 また、その場合の適格請求書に記載すべき同条第1項第4号に掲げる「課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額」と適格返還請求書に記載すべき同条第3項第4号に掲げる「売上げに係る対価の返還等に係る税抜価額又は税込価額を税率の異なるごとに区分して合計した金額」については、継続適用を条件にこれらの金額の差額を記載することで、これらの記載があるものとして取り扱う。この場合において、適格請求書に記載すべき消費税額等(同条第1項第5号に掲げる「消費税額等」をいう。)と適格返還請求書に記載すべき売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等(同条第3項第5号に掲げる「売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等」をいう。)についても、当該差額に基づき計算した金額を記載することで、これらの記載があるものとする。 (修正適格請求書の記載事項) 3−17 法第57条の4第4項《適格請求書発行事業者の義務》に規定する「修正した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書」には、当初に交付した適格請求書、適格簡易請求書又は適格返還請求書との関連性を明らかにした上で、修正した事項を明示した書類等も含まれることに留意する。 |
第四 適格請求書等保存方式による仕入税額の控除関係 (家事共用資産を取得した場合の課税仕入れに係る消費税額等) 4−1 個人事業者が資産を事業と家事の用途に共通して消費し、又は使用するものとして取得した場合、その家事消費又は家事使用に係る部分は課税仕入れに該当しないことから、令第46条第1項第1号から第5号まで《課税仕入れに係る消費税額の計算》に掲げる消費税額等のうち課税仕入れに係る部分の金額又は同項第6号に掲げる課税仕入れに係る支払対価の額は、事業の用途に消費し、又は使用する部分の金額として、当該資産の消費又は使用の実態に基づく使用率、使用面積割合等の合理的な基準により計算することとなることに留意する。 (立替払に係る適格請求書) 4−2 課税仕入れに係る支払対価の額につき、例えば、複数の事業者が一の事務所を借り受け、複数の事業者が支払うべき賃料を一の事業者が立替払を行った場合のように、当該課税仕入れに係る適格請求書(以下「立替払に係る適格請求書」という。)が当該一の事業者のみに交付され、当該一の事業者以外の各事業者が当該課税仕入れに係る適格請求書の交付を受けることができない場合には、当該一の事業者から立替払に係る適格請求書の写しの交付を受けるとともに、当該各事業者の課税仕入れに係る仕入税額控除に必要な事項が記載された明細書等(以下「明細書等」という。)の交付を受け、これらを併せて保存することにより、当該各事業者の課税仕入れに係る適格請求書の保存があるものとして取り扱う。 なお、一の事業者が、多数の事業者の課税仕入れに係る支払対価の額につき一括して立替払を行ったことにより、当該一の事業者において立替払に係る適格請求書の写しの作成が大量となり、その写しを交付することが困難であることを理由に、当該一の事業者が立替払に係る適格請求書を保存し、かつ、当該一の事業者以外の各事業者の課税仕入れが適格請求書発行事業者から受けたものかどうかを当該各事業者が確認できるための措置を講じた上で、明細書等のみを交付した場合には、当該各事業者が交付を受けた当該明細書等を保存することにより、当該各事業者の課税仕入れに係る適格請求書の保存があるものとする。 (注)1 当該明細書等の書類に記載する法第57条の4第1項第4号及び第5号《適格請求書発行事業者の義務》に掲げる事項については、課税仕入れを行った事業者ごとに合理的に区分する必要がある。 (注)2 当該各事業者の課税仕入れが適格請求書発行事業者から受けたものかどうかを当事者間で確認できるための措置としては、例えば、当該明細書等に当該各事業者の課税仕入れに係る相手方の氏名又は名称及び登録番号を記載する方法のほか、これらの事項について当該各事業者へ別途書面等により通知する方法又は立替払に関する基本契約書等で明らかにする方法がある。 (課税仕入れに係る消費税額の計算) 4−3 その課税期間に係る法第45条第1項第2号《課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての確定申告》に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算につき、同条第5項《消費税額の積上げ計算》の規定の適用を受ける場合には、法第30条第1項《仕入れに係る消費税額の控除》に規定する課税仕入れに係る消費税額の計算につき、令第46条第1項《課税仕入れに係る請求書等による消費税額の積上げ計算》に規定する計算の方法(以下「請求書等積上げ方式」という。)又は同条第2項《課税仕入れに係る帳簿による消費税額の積上げ計算》に規定する計算の方法(以下「帳簿積上げ方式」という。)によることとなることに留意する。 また、その課税期間に係る法第45条第1項第2号に掲げる課税標準額に対する消費税額の計算につき、同条第5項の規定の適用を受けない場合には、法第30条第1項に規定する課税仕入れに係る消費税額の計算に関し、請求書等積上げ方式又は帳簿積上げ方式のほか、令第46条第3項《課税仕入れに係る支払対価の合計額から割戻す方法による消費税額の計算》に規定する計算の方法(以下「総額割戻し方式」という。)によることもできるのであるが、請求書等積上げ方式又は帳簿積上げ方式と総額割戻し方式との併用はできないことに留意する。 (注) 請求書等積上げ方式と帳簿積上げ方式との併用は可能である。 (帳簿積上げ方式における「課税仕入れの都度」の意義) 4−4 令第46条第2項《課税仕入れに係る消費税額の計算》に規定する「その課税仕入れの都度、・・・法第30条第7項に規定する帳簿に記載している場合」には、例えば、課税仕入れに係る適格請求書の交付を受けた際に、当該適格請求書を単位として帳簿に記載している場合のほか、課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税仕入れにつきまとめて交付を受けた適格請求書を単位として帳簿に記載している場合がこれに含まれる。 (帳簿及び請求書等の記載事項の特例) 4−5 法第30条第7項《仕入税額控除に係る帳簿及び請求書等の保存》に規定する課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等に関して同条第8項第1号《仕入税額控除に係る帳簿》、令第49条第4項各号《仕入明細書等の記載事項》及び同条第6項各号《卸売り等に係る一定書類の記載事項》に掲げる記載事項のうち、次のものは、取引先コード、商品コード等の記号、番号等による表示で差し支えない。ただし、表示される記号、番号等により、記載事項である「課税仕入れに係る資産又は役務の内容」、「特定課税仕入れの内容」及び「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」について、その仕入れ又は資産の譲渡等が課税仕入れ又は課税資産の譲渡等かどうか、また、当該資産の譲渡等が課税資産の譲渡等である場合においては、軽減対象課税資産の譲渡等かどうかの判別が明らかとなるものであって、(1)に掲げる記載事項を除き、取引の相手方との間で、表示される記号、番号等の内容が明らかであるものに限るものとする。 (1) 法第30条第8項第1号イに掲げる「課税仕入れの相手方の氏名又は名称」、第2号イに掲げる「特定課税仕入れの相手方の氏名又は名称」、同項第1号ハに掲げる「課税仕入れに係る資産又は役務の内容」及び第2号ハに掲げる「特定課税仕入れの内容」 (2) 令第49条第4項第1号に規定する「書類の作成者の氏名又は名称」、同項第2号に規定する「課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号」及び同項第4号に規定する「課税仕入れに係る資産又は役務の内容」 (3) 令第49条第6項第1号に規定する「書類の作成者の氏名又は名称及び登録番号」、同項第3号に規定する「課税資産の譲渡等に係る資産の内容」及び同項第6号に規定する「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」 (注)1 令第49条第4項第2号に規定する「課税仕入れの相手方の氏名又は名称及び登録番号」又は令第49条第6項第1号に規定する「書類の作成者の氏名又は名称及び登録番号」につき、取引先コード等の記号、番号等で表示する場合においては、当該記号、番号等により、登録の効力の発生時期に関する変更等の履歴が明らかとなる措置を講じておく必要がある。 2 適格請求書及び適格簡易請求書の取扱いについては、本通達3−3による。 (課税仕入れの相手方の確認を受ける方法) 4−6 法第30条第9項第3号《請求書等の範囲》に規定する「課税仕入れの相手方の確認を受けたもの」とは、保存する仕入明細書等に課税仕入れの相手方の確認の事実が明らかにされたもののほか、例えば、次のようなものが該当する。 (1) 仕入明細書等への記載内容を通信回線等を通じて課税仕入れの相手方の端末機に出力し、確認の通信を受けた上で自己の端末機から出力したもの (2) 仕入明細書等に記載すべき事項に係る電磁的記録につきインターネットや電子メールなどを通じて課税仕入れの相手方へ提供し、当該相手方からその確認をした旨の通知等を受けたもの (3) 仕入明細書等の写しを相手方に交付し、又は当該仕入明細書等に記載すべき事項に係る電磁的記録を相手方に提供し、一定期間内に誤りのある旨の連絡がない場合には記載内容のとおりに確認があったものとする基本契約等を締結した場合における当該一定期間を経たもの (課税仕入れの相手方の住所又は所在地の記載を要しないものとして国税庁長官が指定する者の範囲) 4−7 令第49条第1項第1号《課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の記載事項等》に規定する「国税庁長官が指定する者」は次による。 (1) 令第70条の9第2項第1号イからニまで《適格請求書の交付を免除する課税資産の譲渡等の範囲等》に掲げる旅客の運送に係る役務の提供を受けた場合の当該役務の提供を行った者 (2) 規則第26条の6第2号《適格請求書等の交付が困難な課税資産の譲渡等》に規定する郵便の役務及び貨物の運送に係る役務の提供を受けた場合の当該役務の提供を行った者 (3) 規則第15条の4第2号《請求書等の交付を受けることが困難な課税仕入れ》に規定する「その旅行に必要な支出に充てるために事業者がその使用人等又はその退職者等に対して支給する金品」及び同条第3号に規定する「通勤手当」に該当するもののうち、通常必要であると認められる部分に係る課税仕入れを行った場合の当該課税仕入れに係る同条第2号に規定する使用人等又は同号に規定する退職者等及び同条第3号に規定する通勤者 (4) 令第49条第1項第1号ハ(1)から(4)まで《課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿等の記載事項等》に掲げる資産に係る課税仕入れ(同号ハ(1)から(3)までに掲げる資産に係る課税仕入れについては、古物営業法、質屋営業法又は宅地建物取引業法により、これらの業務に関する帳簿等へ相手方の氏名及び住所を記載することとされているもの以外のものに限り、同号ハ(4)に掲げる資産に係る課税仕入れについては、事業者以外の者から受けるものに限る。)を行った場合の当該課税仕入れの相手方 (古物に準ずるものの範囲) 4−8 規則第15条の3《古物に準ずるものの範囲》に規定する「古物営業法(昭和24年法律第108号)第2条・・・第1項に規定する古物に準ずる物品及び証票」とは、古物営業法上の古物に該当しない、例えば、金、銀、白金といった貴金属の地金やゴルフ会員権がこれに該当する。 また、同条に規定する「古物営業と同等の取引方法」とは、当該古物に準ずる物品及び証票の買受けに際して、例えば、古物営業法第15条《確認等及び申告》の規定に基づき相手方の住所、氏名等の確認等を行うとともに、同法第16条《帳簿等への記載等》の規定に基づき業務に関する帳簿等への記載等を行うなど、古物商が古物を買い受ける場合と同等の取引方法にあることをいうことに留意する。 (通常必要であると認められる出張旅費、宿泊費、日当等) 4−9 規則第15条の4第2号《請求書等の交付を受けることが困難な課税仕入れ》に規定する「その旅行に必要な支出に充てるために事業者がその使用人等又はその退職者等に対して支給する金品」とは、例えば、事業者が、使用人等(同号に規定する「使用人等」をいう。)又は退職者等(同号に規定する「退職者等」をいう。)が次に掲げる旅行をした場合に、使用人等又は退職者等に出張旅費、宿泊費、日当等として支給する金品がこれに該当するのであるが、同号に規定する課税仕入れは、当該金品のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分に係るものに限られることに留意する。 (1) 使用人等が勤務する場所を離れてその職務を遂行するために行う旅行 (2) 使用人等の転任に伴う転居のために行う旅行 (3) 退職者等のその就職又は退職に伴う転居のために行う旅行 (注) 同号に規定する「その旅行について通常必要であると認められる部分」の範囲は、所基通9−3《非課税とされる旅費の範囲》の例により判定する。 (通常必要であると認められる通勤手当) 4−10 規則第15条の4第3号《請求書等の交付を受けることが困難な課税仕入れ》に規定する「通勤者につき通常必要であると認められる部分」とは、事業者が通勤者に支給する通勤手当が、当該通勤者がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとした場合に、その通勤に通常必要であると認められるものをいう。したがって、所法令第20条の2各号《非課税とされる通勤手当》に定める金額を超えているかどうかにかかわらないことに留意する。 第五 経過措置関係 (免税事業者に係る適格請求書発行事業者の登録申請に関する経過措置) 5−1 28年改正法附則第44条第4項《適格請求書発行事業者の登録等に関する経過措置》の規定により、適格請求書発行事業者の登録開始日(同条第3項に規定する「登録開始日」をいう。)が令和5年10月1日の属する課税期間中である適格請求書発行事業者の登録がされた場合には、当該登録開始日から当該課税期間の末日までの間における課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、法第9条第1項本文の規定は適用されないのであるから、当該課税期間において免税事業者である事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けようとする場合には、登録申請書のみを提出すればよく、課税事業者選択届出書の提出を要しないことに留意する。 (注) 28年改正法附則第44条第4項の規定の適用を受け、令和5年10月1日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受けた事業者は、当該課税期間の翌課税期間以後の課税期間についても法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定の適用はないこととなる。 なお、当該事業者(適格請求書発行事業者の登録を受けていないとすれば、同項本文の規定の適用がある事業者に限る。)は、法第57条の2第10項第1号《適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める場合の届出》に規定する適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書を提出し、当該登録の取消しを受けることで、法第9条第1項本文の規定が適用される。 (困難な事情がある場合の意義) 5−2改正令附則第15条に規定する「困難な事情」については、28年改正法附則第44条第1項ただし書に規定する5年施行日の6月前の日(法第9条の2第1項の規定により法第9条第1項本文の規定の適用を受けないこととなる事業者にあっては、5年施行日の3月前の日)までに登録申請書を提出することにつき困難な事情があれば、その困難の度合いを問わず、改正令附則第15条に規定する経過措置を適用することができることに留意する。 (注) 5年施行日とは、28年改正法附則第32条第3項に規定する「5年施行日」をいい、具体的には令和5年10月1日を指す。 |
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消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて
直所3-8(例規)
直資3-6 平成元年3月29日 (改正 令和3.2.9課個2-3) (改正 令和1.6.28課個2-28) (改正 平成26.3.13課個2-3) (改正 平成9.2.26課所4-3) (改正 平成1.1.21課所4-1) 国税局長 殿 沖縄国税事務所長 殿 国税庁長官
消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて 標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。 (趣旨) 消費税法(昭和63年法律第108号)、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律(平成6年法律第109号)、地方税法等の一部を改正する法律(平成6年法律第111号)、地方税法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成9年政令第17号)、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成24年法律第68号)、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律(平成24年法律第69号)、所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)、地方税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第2号)、所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)及び地方税法等の一部を改正する等の法律(平成28年法律第13号)の施行に伴い、所得税の課税所得金額の計算における消費税及び地方消費税の取扱いを明らかにするものである。 記
(用語の意義) 1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。 (1) 令 所得税法施行令(昭和40年政令第96号)をいう。 (2) 消法 消費税法(昭和63年法律第108号)をいう。 (3) 消法令 消費税法施行令(昭和63年政令第360号)をいう。 (4) 措置法 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)をいう。 (5) 消費税等 消費税及び地方消費税をいう。 (6) 個人事業者 消法第2条第1項第3号((定義))に規定する個人事業者をいう。 (7) 税抜経理方式 消費税等の額とこれに係る取引の対価の額とを区分して経理をする方式をいう。 (8) 税込経理方式 消費税等の額とこれに係る取引の対価の額とを区分しないで経理をする方式をいう。 (9) 課税期間 消法第19条第1項((課税期間))に規定する課税期間をいう。 (10) 課税仕入れ等 消法第2条第1項第12号((定義))に規定する課税仕入れ又は同項第2号に規定する保税地域からの同項第11号に規定する課税貨物の引取りをいう。 (11) 特定課税仕入れ 消法第5条第1項((納税義務者))に規定する特定課税仕入れをいう。 (12) 仮受消費税等の額 課税期間中に行った消法第2条第1項第9号に規定する課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税の額及び当該消費税の額を課税標準として課されるべき地方消費税の額に相当する金額をこれらに係る取引の対価の額と区分する経理をする場合における当該課されるべき消費税の額及び当該課されるべき地方消費税の額に相当する金額をいう。 (13) 仮払消費税等の額 課税期間中に行った課税仕入れ等に係る消法第30条第2項((仕入れに係る消費税額の控除))に規定する課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額をこれらに係る取引の対価の額と区分する経理をする場合における当該課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額をいう。 (14) 控除対象外消費税額等 令第182条の2第5項((資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入))の「控除をすることができない金額及び当該控除をすることができない金額に係る地方消費税の額に相当する金額の合計額」をいう。 (税抜経理方式と税込経理方式の選択適用) 2 個人事業者(消法第9条第1項本文((小規模事業者に係る納税義務の免除))の規定により消費税を納める義務が免除されるものを除く。以下3の2までにおいて同じ。)が行う取引に係る消費税等の経理処理につき、当該個人事業者の行う全ての取引について税抜経理方式又は税込経理方式のいずれかの方式に統一していない場合には、その行う全ての取引についていずれかの方式を適用して所得税の課税所得金額を計算するものとする。 (注) 1 不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得(以下「事業所得等」という。)を生ずべき業務のうち2以上の所得を生ずべき業務を行う場合には、当該所得の種類を異にする業務ごとに上記の取扱いによることができるものとする。 2 譲渡所得の基因となる資産の譲渡で消費税が課されるものに係る経理処理については、当該資産をその用に供していた事業所得等を生ずべき業務と同一の方式によるものとする。 3 消費税と地方消費税は同一の方式によるものとする。 (固定資産等及び経費等の経理方式の選択適用) 2の2 個人事業者が売上げ等の収入に係る取引について税抜経理方式で経理をしている場合には、2((税抜経理方式と税込経理方式の選択適用))にかかわらず、固定資産、繰延資産、棚卸資産及び山林(以下「固定資産等」という。)の取得に係る取引又は販売費及び一般管理費等(山林の伐採費及び譲渡に要した費用を含む。以下「経費等」という。)の支出に係る取引のいずれか一方の取引について税込経理方式を適用できるほか、固定資産等のうち棚卸資産又は山林の取得に係る取引については、継続適用を条件として固定資産及び繰延資産と異なる方式を選択適用できるものとする。 (注) 1 個々の固定資産等又は個々の経費等ごとに異なる方式を適用しない。 2 消費税と地方消費税について異なる方式を適用しない。 (売上げと仕入れで経理方式が異なる場合の取扱い) 3 個人事業者が国内において行う売上げ等の収入に係る取引について税込経理方式で経理をしている場合には、固定資産等の取得に係る取引又は経費等の支出に係る取引の全部又は一部について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、2((税抜経理方式と税込経理方式の選択適用))にかかわらず、税込経理方式を適用して所得税の課税所得金額を計算することに留意する。 (注) この取扱いは、消法第6条第1項((非課税))の規定により消費税を課さないこととされている資産の譲渡等のみを行う個人事業者が、固定資産等の取得に係る取引又は経費等の支出に係る取引の全部又は一部について税抜経理方式で経理をしている場合についても同様とする。 (仮受消費税等又は仮払消費税等と異なる金額で経理をした場合の取扱い) 3の2 個人事業者が行う取引に係る消費税等の経理処理について税抜経理方式によっている場合において、次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ次に定めるところにより所得税の課税所得金額を計算することに留意する。 (1) 仮受消費税等の額又は仮払消費税等の額を超える金額を取引の対価の額から区分して経理をしている場合 その超える部分の金額を売上げ等の収入に係る取引の対価の額又は固定資産等の取得に係る取引若しくは経費等の支出に係る取引の対価の額に含める。 (2) 仮受消費税等の額又は仮払消費税等の額に満たない金額を取引の対価の額から区分して経理をしている場合 その満たない部分の金額を売上げ等の収入に係る取引の対価の額又は固定資産等の取得に係る取引若しくは経費等の支出に係る取引の対価の額から除く。 (年末一括税抜経理方式) 4 税抜経理方式による経理処理は、原則として取引(請求書の交付を含む。)の都度行うのであるが、消法令第46条第2項((課税仕入れに係る消費税額の計算))の規定の適用を受ける場合を除き、その経理処理をその年12月31日において一括して行うことができるものとする。 (免税事業者の消費税の処理) 5 消法第9条第1項本文((小規模事業者に係る納税義務の免除))の規定により消費税を納める義務が免除される個人事業者については、その行う取引について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、2((税抜経理方式と税込経理方式の選択適用))にかかわらず、税込経理方式を適用して所得税の課税所得金額を計算することに留意する。 (特定課税仕入れに係る消費税等の額) 5の2 特定課税仕入れの取引については、取引時において消費税等の額に相当する金銭の受払いがないのであるから、税抜経理方式を適用することとなる個人事業者であっても、当該特定課税仕入れの取引の対価の額と区分すべき消費税等の額はないことに留意する。 ただし、個人事業者が当該特定課税仕入れの取引について課されるべき消費税の額及び当該消費税の額を課税標準として課されるべき地方消費税の額に相当する金額を当該取引の対価の額と区分して、例えば、仮受金及び仮払金等としてそれぞれ計上するなど仮勘定を用いて経理をしている場合には、当該仮受金又は仮払金等として経理をした金額はそれぞれ仮受消費税等の額又は仮払消費税等の額に該当するものとして、所得税の課税所得金額を計算することに留意する。 (注) この取扱いによった場合においても、2((税抜経理方式と税込経理方式の選択適用))の適用については、税込経理方式で経理をしたことにはならないことに留意する。 (仮受消費税等及び仮払消費税等の清算) 6 税抜経理方式を適用することとなる個人事業者は、課税期間の終了の時における仮受消費税等の額の合計額から仮払消費税等の額の合計額(控除対象外消費税額等に相当する金額を除く。以下6において同じ。)を控除した金額と当該課税期間に係る納付すべき消費税等の額とに差額が生じた場合は、当該差額については、当該課税期間を含む年の事業所得等の金額の計算上、総収入金額又は必要経費に算入するものとする。 課税期間の終了の時における仮払消費税等の額の合計額から仮受消費税等の額の合計額を控除した金額と当該課税期間に係る還付を受ける消費税等の額とに差額が生じた場合についても同様とする。 (注) 事業所得等を生ずべき業務のうち2以上の所得を生ずべき業務について税抜経理方式を適用している場合には、税抜経理方式を適用している業務のそれぞれについて、他の税抜経理方式を適用している業務に係る取引がないものとして上記の取扱いを適用するものとする。 (消費税等の必要経費算入の時期) 7 税込経理方式を適用することとなる個人事業者が納付すべき消費税等の額は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する年の事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入し、更正又は決定に係る税額については当該更正又は決定があった日の属する年の事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入する。ただし、当該個人事業者が申告期限未到来の当該納税申告書に記載すべき消費税等の額を未払金に計上したときの当該金額については、当該未払金に計上した年の事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入することとして差し支えない。 (消費税等の総収入金額算入の時期) 8 税込経理方式を適用することとなる個人事業者が還付を受ける消費税等の額は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する年の事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入し、更正に係る税額については当該更正のあった日の属する年の事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入する。ただし、当該個人事業者が申告期限未到来の当該納税申告書に記載すべき消費税等の額を未収入金に計上したときの当該金額については、当該未収入金に計上した年の事業所得等の金額の計算上、総収入金額に算入することとして差し支えない。 (少額の減価償却資産の取得価額等の判定) 9 令第138条((少額の減価償却資産の取得価額の必要経費算入))、令第139条((一括償却資産の必要経費算入))又は令第139条の2((繰延資産となる費用のうち少額のものの必要経費算入))の規定を適用する場合において、これらの規定における金額基準を満たしているかどうかは、個人事業者がこれらの規定の適用がある減価償却資産に係る取引について適用することとなる税抜経理方式又は税込経理方式に応じ、その適用することとなる方式により算定した取得価額又は支出する金額により判定することに留意する。 措置法に規定する特別償却等において定められている金額基準についても、同様とする。 (資産に係る控除対象外消費税額等の処理) 10 令第182条の2第5項((資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入))に規定する資産に係る控除対象外消費税額等(以下「資産に係る控除対象外消費税額等」という。)については、同条の規定の適用を受け、又は受けないことを選択することができるが、同条の規定の適用を受ける場合には、資産に係る控除対象外消費税額等が生じた年において、その全額について同条の規定を適用することになることに留意する。 (注) 事業所得等を生ずべき業務のうち2以上の所得を生ずべき業務について税抜経理方式を適用している場合には、それぞれの業務に係る取引ごとに上記の取扱いを適用するものとする。 (資産の範囲) 11 令第182条の2((資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入))の資産には、固定資産、棚卸資産、山林のほか繰延資産が含まれるが、前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうちその年12月31日においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。)は含まれないことに留意する。 (適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税等の処理) 11の2 国内において行った消法第2条第1項第7号の2((定義))に規定する適格請求書発行事業者以外の者から行った同項第12号に規定する課税仕入れ(特定課税仕入れ並びに消法令第46条第1項第5号及び第6号((課税仕入れに係る消費税額の計算))に掲げる課税仕入れを除く。)に係る取引について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、その取引の対価の額と区分して経理をした消費税等の額に相当する金額を当該課税仕入れに係る取引の対価の額に含めて所得税の課税所得金額を計算することになることに留意する。 (注) この取扱いによった場合においても、2((税抜経理方式と税込経理方式の選択適用))の適用については、税込経理方式で経理をしたことにはならないことに留意する。 (控除対象外消費税額等の対象となる消費税法の規定) 11の3 税抜経理方式を適用することとなる個人事業者が国内において行う課税仕入れ等(消法第2条第1項第7号の2((定義))に規定する適格請求書発行事業者以外の者から行った同項第12号に規定する課税仕入れ(特定課税仕入れ並びに消法令第46条第1項第5号及び第6号((課税仕入れに係る消費税額の計算))に掲げる課税仕入れを除く。)を除く。)につき、消法第30条第2項((仕入れに係る消費税額の控除))のほか、例えば、次の規定の適用を受ける場合には、当該規定の適用を受ける取引に係る仮払消費税等の額は、控除対象外消費税額等となることに留意する。 (1) 消法第30条第7項及び第10項から第12項まで(同条第7項及び第11項にあっては、ただし書を除く。) (2) 消法第36条第5項((納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整)) (譲渡所得の基因となる資産の譲渡がある場合の処理) 12 譲渡所得の基因となる資産の譲渡で消費税が課されるものがある場合には、当該資産の譲渡を当該資産をその用に供していた事業所得等を生ずべき業務に係る取引に含めて、6((仮受消費税等及び仮払消費税等の清算))の取扱いを適用するものとする。 (山林所得の概算経費控除等の取扱い) 13 措置法第30条((山林所得の概算経費控除))及び第30条の2((山林所得に係る森林計画特別控除))の規定を適用する場合におけるこれらの規定に規定する「収入金額」及び「伐採費、運搬費その他の財務省令で定める費用」は、個人事業者が適用している税抜経理方式又は税込経理方式に応じ、その適用している方式により算定する。 措置法第31条の4((長期譲渡所得の概算取得費控除))の規定を適用する場合における同条に規定する「収入金額」についても同様とする。 附則 (経過的取扱い(1)…改正通達の適用時期) 別に定めるものを除き、この法令解釈通達による改正後の取扱いは、令和5年10月1日以後に国内において個人事業者が行う資産の譲渡等(消法第2条第1項第8号((定義))に規定する資産の譲渡等をいう。以下同じ。)、国内において個人事業者が行う課税仕入れ(同項第12号に規定する課税仕入れをいう。以下同じ。)及び保税地域(同項第2号に規定する保税地域をいう。以下同じ。)から引き取られる課税貨物(同項第11号に規定する課税貨物をいう。以下同じ。)に係る消費税について適用し、同日前に国内において個人事業者が行った資産の譲渡等、国内において個人事業者が行った課税仕入れ及び保税地域から引き取った課税貨物に係る消費税については、なお従前の例による。 (経過的取扱い(2)…適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置) 個人事業者が国内において行った課税仕入れ等につき、所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号。以下「平成28年改正法」という。)附則第52条第1項 ((適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置))(消費税法施行令等の一部を改正する政令(平成30年政令第135号。以下「平成30年改正令」という。)附則第22条第2項又は第3項((適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税額の計算に関する経過措置))の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下同じ。)の規定の適用を受ける場合には、この法令解釈通達による改正後の11の2((適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税等の処理))の取扱いは、適用しない。この場合において、当該課税仕入れ等に係る取引について税抜経理方式を適用するときは、所得税法施行令等の一部を改正する政令(平成30年政令第131号)附則第11条第3項((資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入に関する経過措置))の規定による読替え後の令第182条の2第5項((資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入))に規定する当該課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額の合計額をこの法令解釈通達による改正後の1(13)((用語の意義))に規定する仮払消費税等の額とする。 平成28年改正法附則第53条第1項 ((適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置))(平成30年改正令附則第23条第2項又は第3項((適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税額の計算に関する経過措置))の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定の適用を受ける場合についても同様とする。 |
消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて ※ 令和3年2月9日付課法2−6「『消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて』の一部改正について」(法令解釈通達)(以下「改正通達」といいます。)の発遣により、本通達は、令和3年2月9日をもって改正されています。 ただし、改正通達による改正後の取扱いは、原則として、令和5年10月1日以後に国内において法人が行う資産の譲渡等(消費税法第2条第1項第8号《定義》に規定する資産の譲渡等をいいます。以下同じです。)、国内において法人が行う課税仕入れ(同項第12号に規定する課税仕入れをいいます。以下同じです。)及び保税地域(同項第2号に規定する保税地域をいいます。以下同じです。)から引き取られる課税貨物(同項第11号に規定する課税貨物をいいます。以下同じです。)に係る消費税について適用し、同日前に国内において法人が行った資産の譲渡等、国内において法人が行った課税仕入れ及び保税地域から引き取った課税貨物に係る消費税については、改正通達による改正前の本通達の取扱いの例によります。 改正通達による改正前の本通達(全文)を見る 消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて 平成元年3月1日直法2-1
平成6年3月16日課法2-1(例規)により改正 平成9年2月26日課法2-1(例規)により改正 平成10年6月23日課法2-7(例規)により改正 平成16年6月23日課法2-10(法令解釈通達)により改正 平成19年3月13日課法2-3、課審5-11(法令解釈通達)により改正 平成22年11月30日課法2-7、課審5-33(法令解釈通達)により改正 平成25年6月27日課法2-4、課審6-16(法令解釈通達)により改正 平成26年3月13日課法2-1(法令解釈通達)により改正 平成26年6月27日課法2-6、課審6-11(法令解釈通達)により改正 平成27年6月30日課法2-8、課審6-3(法令解釈通達)により改正 平成28年6月28日課法2-11、課審6-9(法令解釈通達)により改正 平成29年6月30日課法2-17、課審6-6(法令解釈通達)により改正 令和元年6月28日課法2-10、課審6-9、査調9-117(法令解釈通達)により改正 令和3年2月9日付課法2-6(法令解釈通達)により改正 標題のことについては、下記のとおり定めたから、これによられたい。 (趣旨) 消費税法(昭和63年法律第108号)、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律(平成6年法律第109号)、地方税法等の一部を改正する法律(平成6年法律第111号)、地方税法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成9年政令第17号)、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成24年法律第68号)、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律(平成24年法律第69号)、所得税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第9号)、地方税法等の一部を改正する法律(平成27年法律第2号)、所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号)及び地方税法等の一部を改正する等の法律(平成28年法律第13号)の施行に伴い、法人税の課税所得金額の計算における消費税及び地方消費税の取扱いを明らかにするものである。(平9年課法2-1、令元年課法2-10により改正) 記
(用語の意義) 1 この通達において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。(平成9年課法2-1、令元年課法2-10、令3年課法2-6により改正) (1)法 法人税法(昭和40年法律第34号)をいう。 (2)令 法人税法施行令(昭和40年政令第97号)をいう。 (3)消法 消費税法(昭和63年法律第108号)をいう。 (4)消法令 消費税法施行令(昭和63年政令第360号)をいう。 (5)措置法 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)をいう。 (6)消費税等 消費税及び地方消費税をいう。 (7)税抜経理方式 消費税等の額とこれに係る取引の対価の額とを区分して経理をする方式をいう。 (8)税込経理方式 消費税等の額とこれに係る取引の対価の額とを区分しないで経理をする方式をいう。 (9)課税期間 消法第19条第1項《課税期間》に規定する課税期間をいう。 (10)課税仕入れ等 消法第2条第1項第12号《定義》に規定する課税仕入れ又は同項第2号に規定する保税地域からの同項第11号に規定する課税貨物の引取りをいう。 (11)特定課税仕入れ 消法第5条第1項《納税義務者》に規定する特定課税仕入れをいう。 (12)仮受消費税等の額 課税期間中に行った消法第2条第1項第9号に規定する課税資産の譲渡等につき課されるべき消費税の額及び当該消費税の額を課税標準として課されるべき地方消費税の額に相当する金額をこれらに係る取引の対価の額と区分する経理をする場合における当該課されるべき消費税の額及び当該課されるべき地方消費税の額に相当する金額をいう。 (13)仮払消費税等の額 課税期間中に行った課税仕入れ等に係る消法第30条第2項《仕入れに係る消費税額の控除》に規定する課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額(以下(15)までにおいて「課税仕入れ等に係る消費税額等」という。)をこれらに係る取引の対価の額と区分する経理をする場合における当該課税仕入れ等に係る消費税額等をいう。 (14)控除対象外消費税額等 令第139条の4第5項《資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入》の「控除をすることができない金額及び当該控除をすることができない金額に係る地方消費税の額に相当する金額の合計額」をいう。 (15)控除対象消費税額等 消法第30条第1項の規定の適用を受ける場合における課税仕入れ等に係る消費税額等のうち控除対象外消費税額等以外の金額をいう。 (税抜経理方式と税込経理方式の選択適用) 2 法人(消法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定により消費税を納める義務が免除されるものを除く。以下3の2までにおいて同じ。)が行う取引に係る消費税等の経理処理につき、当該法人の行う全ての取引について税抜経理方式又は税込経理方式のいずれかの方式に統一していない場合には、その行う全ての取引についていずれかの方式を適用して法人税の課税所得金額を計算するものとする。ただし、法人が売上げ等の収益に係る取引につき税抜経理方式で経理をしている場合において、固定資産、繰延資産及び棚卸資産(以下「固定資産等」という。)の取得に係る取引又は販売費及び一般管理費等(以下「経費等」という。)の支出に係る取引のいずれかの取引について税込経理方式で経理をしたときは、当該取引については税込経理方式を、当該取引以外の取引にあっては税抜経理方式を適用して法人税の課税所得金額を計算する。(平9年課法2−1、令元年課法2−10、令3年課法2−6により改正) (注) ただし書の適用に当たっては、固定資産等のうち棚卸資産の取得に係る取引について、固定資産及び繰延資産と異なる方式を適用した場合には、継続して適用した場合に限りその適用した方式によるほか、次に定めるところによる。 (1) 個々の固定資産等又は個々の経費等ごとに異なる方式を適用しない。 (2) 消費税と地方消費税について異なる方式を適用しない。 (売上げと仕入れで経理方式が異なる場合の取扱い) 3 法人が国内において行う売上げ等の収益に係る取引について税込経理方式で経理をしている場合には、固定資産等の取得に係る取引又は経費等の支出に係る取引の全部又は一部について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、2《税抜経理方式と税込経理方式の選択適用》にかかわらず、税込経理方式を適用して法人税の課税所得金額を計算することに留意する。(令3年課法2−6により追加) (注) この取扱いは、消法第6条第1項《非課税》の規定により消費税を課さないこととされている資産の譲渡等のみを行う法人が、固定資産等の取得に係る取引又は経費等の支出に係る取引の全部又は一部について税抜経理方式で経理をしている場合についても同様とする。 (仮受消費税等又は仮払消費税等と異なる金額で経理をした場合の取扱い) 3の2 法人が行う取引に係る消費税等の経理処理について税抜経理方式によっている場合において、次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ次に定めるところにより法人税の課税所得金額を計算することに留意する。(令3年課法2−6により追加) (1) 仮受消費税等の額又は仮払消費税等の額を超える金額を取引の対価の額から区分して経理をしている場合 その超える部分の金額を売上げ等の収益に係る取引の対価の額又は固定資産等の取得に係る取引若しくは経費等の支出に係る取引の対価の額に含める。 (注) 減価償却資産の取得に係る取引において仮払消費税等の額を超えて取引の対価の額から区分して経理をしたことによりその取得価額に含まれることとなる金額につき損金経理をしている場合には、その損金経理をした金額は法第31条第1項《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》に規定する「償却費として損金経理をした金額」に含まれるものとする。 (2) 仮受消費税等の額又は仮払消費税等の額に満たない金額を取引の対価の額から区分して経理をしている場合 その満たない部分の金額を売上げ等の収益に係る取引の対価の額又は固定資産等の取得に係る取引若しくは経費等の支出に係る取引の対価の額から除く。 (期末一括税抜経理方式) 4 税抜経理方式による経理処理は、原則として取引(請求書の交付を含む。)の都度行うのであるが、消法令第46条第2項《課税仕入れに係る消費税額の計算》の規定の適用を受ける場合を除き、その経理処理を事業年度終了の時において一括して行うことができるものとする。(令3年課法2-6により改正) (免税事業者の消費税等の処理) 5 消法第9条第1項本文《小規模事業者に係る納税義務の免除》の規定により消費税を納める義務が免除される法人については、その行う取引について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、2《税抜経理方式と税込経理方式の選択適用》にかかわらず、税込経理方式を適用して法人税の課税所得金額を計算することに留意する。(平9年課法2−1、令3年課法2−6により改正) (特定課税仕入れに係る消費税等の額) 5の2 特定課税仕入れの取引については、取引時において消費税等の額に相当する金銭の受払いがないのであるから、税抜経理方式を適用することとなる法人であっても、当該特定課税仕入れの取引の対価の額と区分すべき消費税等の額はないことに留意する。 ただし、法人が当該特定課税仕入れの取引につき課されるべき消費税の額及び当該消費税の額を課税標準として課されるべき地方消費税の額に相当する金額を当該取引の対価の額と区分して、例えば、仮受金及び仮払金等としてそれぞれ計上するなど仮勘定を用いて経理をしている場合には、当該仮受金又は仮払金等として経理をした金額はそれぞれ仮受消費税等の額又は仮払消費税等の額に該当するものとして、法人税の課税所得金額を計算することに留意する。(平27年課法2−8により追加、令3年課法2−6により改正) (注) この取扱いによった場合においても、2《税抜経理方式と税込経理方式の選択適用》の適用については、税込経理方式で経理をしたことにはならないことに留意する。 |
(仮払消費税等及び仮受消費税等の清算) 6 税抜経理方式を適用することとなる法人は、課税期間の終了の時における仮受消費税等の額の合計額から仮払消費税等の額の合計額(控除対象外消費税額等に相当する金額を除く。以下6において同じ。)を控除した金額と当該課税期間に係る納付すべき消費税等の額とに差額が生じた場合は、当該差額については、当該課税期間を含む事業年度において益金の額又は損金の額に算入するものとする。 課税期間の終了の時における仮払消費税等の額の合計額から仮受消費税等の額の合計額を控除した金額と当該課税期間に係る還付を受ける消費税等の額とに差額が生じた場合についても同様とする。(平9年課法2−1、平27年課法2−8、令3年課法2−6により改正) (消費税等の損金算入の時期) 7 税込経理方式を適用することとなる法人が納付すべき消費税等の額は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する事業年度の損金の額に算入し、更正又は決定に係る税額については当該更正又は決定があった日の属する事業年度の損金の額に算入する。ただし、当該法人が申告期限未到来の当該納税申告書に記載すべき消費税等の額を損金経理により未払金に計上したときの当該金額については、当該損金経理をした事業年度の損金の額に算入する。(平9年課法2-1、令3年課法2-6により改正) (消費税等の益金算入の時期) 8 税込経理方式を適用することとなる法人が還付を受ける消費税等の額は、納税申告書に記載された税額については当該納税申告書が提出された日の属する事業年度の益金の額に算入し、更正に係る税額については当該更正があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、当該法人が当該還付を受ける消費税等の額を収益の額として未収入金に計上したときの当該金額については、当該収益に計上した事業年度の益金の額に算入する。(平9年課法2-1、令3年課法2-6により改正) (少額の減価償却資産の取得価額等の判定) 9 令第133条《少額の減価償却資産の取得価額の損金算入》、令第133条の2《一括償却資産の損金算入》又は令第134条《繰延資産となる費用のうち少額のものの損金算入》の規定を適用する場合において、これらの規定における金額基準を満たしているかどうかは、法人がこれらの規定の適用がある減価償却資産に係る取引につき適用することとなる税抜経理方式又は税込経理方式に応じ、その適用することとなる方式により算定した価額により判定することに留意する。 措置法に規定する特別償却等において定められている金額基準又は措置法第61条の4第4項第2号《交際費等の損金不算入》に規定する金額基準についても、同様とする。(平10年課法2-7、平19年課法2-3、平26年課法2-6、令3年課法2-6により改正) (資産の評価損益等に係る時価) 10 資産又は時価評価資産について、次に掲げる規定を適用する場合におけるそれぞれ次に定める価額は、当該資産又は当該時価評価資産につき法人が適用することとなる税抜経理方式又は税込経理方式に応じ、その適用することとなる方式による価額をいうものとする。(平16年課法2-10、平19年課法2-3、平22年課法2-7、平29年課法2-17、令3年課法2-6により改正) (1) 法第25条第3項《資産の評価益》 令第24条の2第5項第1号《再生計画認可の決定に準ずる事実等》に規定する「当該再生計画認可の決定があった時の価額」 (2) 法第33条第2項《資産の評価損》 同項に規定する「評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額」 (3) 法第33条第4項 令第68条の2第4項第1号《再生計画認可の決定に準ずる事実等》に規定する「当該再生計画認可の決定があった時の価額」 (4) 法第61条の11第1項又は第61条の12第1項《連結納税の開始等に伴う資産の時価評価損益》 法第61条の11第1項に規定する「時価評価資産」に係る「その時の価額」 (5) 法第62条の9第1項《非適格株式交換等に係る株式交換完全子法人等の有する資産の時価評価損益》 同項に規定する「時価評価資産」に係る「非適格株式交換等の直前の時の価額」又は「その時の価額」 (注) 令第122条の12第1項第5号又は令第123条の11第1項第5号《時価評価資産から除かれる資産の範囲》に規定する「資産の価額」についても、同様とする。 (寄附金に係る時価) 11 法第37条第7項及び第8項《寄附金の損金不算入》の規定を適用する場合における「資産のその贈与の時における価額」又は「資産のその譲渡の時における価額」は、当該資産につき法人が適用することとなる税抜経理方式又は税込経理方式に応じ、その適用することとなる方式による価額をいい、「経済的な利益のその供与の時における価額」は、売上げ等の収益に係る取引につき法人が適用することとなる方式に応じ、その適用することとなる方式による価額をいうものとする。(平16年課法2-10、令3年課法2-6により改正) (交際費等に係る消費税等の額) 12 法人が支出した措置法第61の4条第4項《交際費等の損金不算入》に規定する交際費等に係る消費税等の額は、同項に規定する交際費等(以下「交際費等」という。)の額に含まれることに留意する。 ただし、法人が消費税等の経理処理について税抜経理方式を適用している場合には、当該交際費等に係る消費税等の額のうち控除対象消費税額等に相当する金額は交際費等の額に含めないものとする。(平26年課法2-6、平28年課法2-11により改正) (注) 1 税込経理方式を適用している場合には、交際費等に係る消費税等の額は、その全額が交際費等の額に含まれることになる。 2 税抜経理方式を適用している場合における交際費等に係る消費税等の額のうち控除対象外消費税額等に相当する金額は、交際費等の額に含まれることになる。 3 2により交際費等の額に含まれることとなる金額のうち、措置法第61条の4第4項に規定する飲食費に係る金額については、同項の飲食費の額に含まれる。 4 控除対象外消費税額等のうち特定課税仕入れ(その支払対価の額が交際費等の額に該当するものに限る。)に係る金額は、本文の「交際費等に係る消費税等の額」に含まれないことに留意する。 (資産に係る控除対象外消費税額等の処理) 13 令第139条の4第5項《資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入》に規定する資産に係る控除対象外消費税額等の合計額(以下「資産に係る控除対象外消費税額等」という。)については、同条の規定の適用を受け、又は受けないことを選択することができるが、同条の規定の適用を受ける場合には、資産に係る控除対象外消費税額等の全額について同条の規定を適用することになることに留意する。したがって、法人が資産に係る控除対象外消費税額等の一部について損金経理をしなかった場合には、その損金経理をしなかった資産に係る控除対象外消費税額等については、当該事業年度後の事業年度において同条第4項の規定を適用するのであるから留意する。 (平6年課法2-1、平9年課法2-1、平16年課法2-10、令3年課法2-6により改正) (注) 1 この取扱いの後段の適用を受ける場合において、法人が資産に係る控除対象外消費税額等の一部について資産の取得価額に算入したときは、その資産の取得価額に算入した資産に係る控除対象外消費税額等は、当該資産の取得価額から除いて法人税の課税所得金額を計算することに留意する。 2 本文後段の取扱いは、当該事業年度が連結事業年度に該当する場合における当該連結事業年度後の事業年度にも適用する。 (資産の範囲) 14 令第139条の4《資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入》の資産には、棚卸資産、固定資産のほか繰延資産が含まれるが、前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。)は含まれないことに留意する。 (平6年課法2-1、平16年課法2-10、令3年課法2-6により改正) (適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税等の処理) 14の2 国内において行った消法第2条第1項第7号の2《定義》に規定する適格請求書発行事業者以外の者から行った同項第12号に規定する課税仕入れ(特定課税仕入れ並びに消法令第46条第1項第5号及び第6号《課税仕入れに係る消費税額の計算》に掲げる課税仕入れを除く。)に係る取引について税抜経理方式で経理をしている場合であっても、その取引の対価の額と区分して経理をした消費税等の額に相当する金額を当該課税仕入れに係る取引の対価の額に含めて法人税の課税所得金額を計算することになることに留意する。(令3年課法2−6により追加) (注)1 3の2(1)(注)《仮受消費税等又は仮払消費税等と異なる金額で経理をした場合の取扱い》の取扱いは、本文の取扱いの適用を受ける場合についても同様とする。 2 本文の取扱いによった場合においても、2《税抜経理方式と税込経理方式の選択適用》の適用については、税込経理方式で経理をしたことにはならないことに留意する。 (控除対象外消費税額等の対象となる消費税法の規定) 14の3 税抜経理方式を適用することとなる法人が国内において行う課税仕入れ等(消法第2条第1項第7号の2《定義》に規定する適格請求書発行事業者以外の者から行った同項第12号に規定する課税仕入れ(特定課税仕入れ並びに消法令第46条第1項第5号及び第6号《課税仕入れに係る消費税額の計算》に掲げる課税仕入れを除く。)を除く。)につき、消法第30条第2項《仕入れに係る消費税額の控除》のほか、例えば、次の規定の適用を受ける場合には、当該規定の適用を受ける取引に係る仮払消費税等の額は、控除対象外消費税額等となることに留意する。(令3年課法2−6により追加) (1) 消法第30条第7項及び第10項から第12項まで(同条第7項及び第11項にあっては、ただし書を除く。) (2) 消法第36条第5項《納税義務の免除を受けないこととなった場合等の棚卸資産に係る消費税額の調整》 (連結納税に係る取扱い) 15 連結法人が連結納税に係る申告を行う際の消費税等の取扱いについては、2から14の2までの取扱いを準用する。この場合において、2から14の2までにおいて引用している法、令及び措置法の各条項の規定のうち、次に掲げる条項の規定はそれぞれ次のとおり読み替えるものとし、それ以外の条項の規定は連結法人が法第81条の3第1項《個別益金額又は個別損金額》の規定により同項の個別益金額又は個別損金額を計算する場合のこれらの条項の規定をいうことに留意する。(平16年課法2-10により追加、平26年課法2-6、平27年課法2-8、平29年課法2-17により改正) 1 法第37条第7項及び第8項《寄附金の損金不算入》法第81条の6第6項《連結事業年度における寄附金の損金不算入》の規定により準用して適用される法第37条第7項及び第8項 2 措置法第61条の4第4項《交際費等の損金不算入》措置法第68条の66第4項《交際費等の損金不算入》 (注) 13の後段の取扱いは、当該事業年度が連結事業年度に該当しない場合における当該事業年度後の連結事業年度にも準用する。 (附則) (経過的取扱い(1)……改正前の消費税法等の適用がある場合) 改正法令(所得税法及び消費税法の一部を改正する法律(平成6年法律第109号)、地方税法等の一部を改正する法律(平成6年法律第111号)及び地方税法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(平成9年政令第17号))による改正前の消費税法及び法人税法施行令の規定の適用を受ける場合の取扱いについては、この通達の改正前の取扱いの例による。(平9年課法2-1により追加) (経過的取扱い(2)……限界控除の適用がある場合) 所得税法及び消費税法の一部を改正する法律(平成6年法律第109号)附則第20条((小規模事業者等に係る限界控除に関する経過措置))によりなお効力を有することとされる旧消費税法第40条((小規模事業者等に係る限界控除))の適用がある場合の取扱いについては、改正前の6((仮払消費税及び仮受消費税の清算))の取扱いの例による。この場合において、改正前の6中「消費税」とあるのは「消費税等」と、「仮受消費税」とあるのは「仮受消費税等」と、「仮払消費税」とあるのは「仮払消費税等」と、「控除対象外消費税額」とあるのは「控除対象外消費税額等」とする。(平9年課法2-1により追加) (経過的取扱い) この法令解釈通達による改正後の取扱いは、平成26年4月1日以後に行う消費税法第2条第1項第12号に規定する課税仕入れ(社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律附則第4条第3項に規定する経過措置対象課税仕入れ等で同項第4号又は第5号に掲げるものに該当するもの(以下「経過措置対象課税仕入れ」という。)を除く。)及び同日以後に消費税法第2条第1項第2号に規定する保税地域から引き取る同項第11号に規定する課税貨物について適用し、同日前に行った同項第12号に規定する課税仕入れ(経過措置対象課税仕入れを含む。)及び同日前に同項第2号に規定する保税地域から引き取った同項第11号に規定する課税貨物については、なお従前の例による。(平成26年課法2-1により追加) (経過的取扱い(1)……改正通達の適用時期) 別に定めるものを除き、この法令解釈通達による改正後の取扱いは、令和5年10月1日以後に国内において法人が行う資産の譲渡等(消法第2条第1項第8号《定義》に規定する資産の譲渡等をいう。以下同じ。)、国内において法人が行う課税仕入れ(同項第12号に規定する課税仕入れをいう。以下同じ。)及び保税地域(同項第2号に規定する保税地域をいう。以下同じ。)から引き取られる課税貨物(同項第11号に規定する課税貨物をいう。以下同じ。)に係る消費税について適用し、同日前に国内において法人が行った資産の譲渡等、国内において法人が行った課税仕入れ及び保税地域から引き取った課税貨物に係る消費税については、なお従前の例による。(令3年課法2−6により追加) (経過的取扱い(2)……適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置) 法人が国内において行った課税仕入れ等につき、所得税法等の一部を改正する法律(平成28年法律第15号。以下「平成28年改正法」という。)附則第52条第1項 《適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置》(消費税法施行令等の一部を改正する政令(平成30年政令第135号。以下「平成30年改正令」という。)附則第22条第2項又は第3項《適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税額の計算に関する経過措置》の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下同じ。)の規定の適用を受ける場合には、この法令解釈通達による改正後の14の2《適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税等の処理》の取扱いは、適用しない。この場合において、当該課税仕入れ等に係る取引について税抜経理方式を適用するときは、法人税法施行令等の一部を改正する政令(平成30年政令第132号)附則第14条第3項《資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入に関する経過措置》の規定による読替え後の令第139条の4第5項《資産に係る控除対象外消費税額等の損金算入》に規定する当該課税仕入れ等の税額及び当該課税仕入れ等の税額に係る地方消費税の額に相当する金額の合計額をこの法令解釈通達による改正後の1(13)《用語の意義》に規定する仮払消費税等の額とする。 平成28年改正法附則第53条第1項 《適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置》(平成30年改正令附則第23条第2項又は第3項《適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る消費税額の計算に関する経過措置》の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定の適用を受ける場合についても同様とする。(令3年課法2−6により追加) |
インボイス制度開始後の報酬・料金等に対する源泉徴収 令和3年12月9日
国税庁 令和5年10月1日から消費税の仕入税額控除制度において適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)が開始されます。 インボイス制度開始後においても、平成元年1月30日付直法6−1「消費税法等の施行に伴う源泉所得税の取扱いについて」(法令解釈通達)(以下「本通達」といいます。)の「3 報酬・料金等所得等に対する源泉徴収」の取扱いは、次のとおり変更ありませんので、ご留意ください。 1 現行の取扱い(本通達3) 原稿料や弁護士報酬などの源泉徴収の対象となる報酬・料金等(所得税法第204条第1項)の中に消費税及び地方消費税の額(以下「消費税等の額」といいます。)が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額が源泉徴収の対象となります。 ただし、報酬・料金等の支払を受ける者からの『請求書等』において、報酬・料金等の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金等の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません。 2 インボイス制度開始後の取扱い(現行の取扱いから変更なし) インボイス制度開始後においても、上記1の『請求書等』とは、報酬・料金等の支払を受ける者が発行する請求書や納品書等であればよく、必ずしも適格請求書(インボイス)である必要はありませんので、適格請求書発行事業者以外の事業者が発行する請求書等において、報酬・料金等の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金等の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません。 ※ 所得税法第204条の規定が適用される報酬・料金等のほか、同法第212条の規定が適用されるものについても、上記と同様に取り扱われます。 インボイス制度に関するQ&A目次一覧|国税庁 (nta.go.jp) ➤ TOP |